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オルタ・サン・ジュリオは、人口1185人(2015年12月31日現在)のピエモンテ州ノヴァーラ県にあるコムーネです。風光明媚なオルタ湖畔にあり、観光客で賑ってます。
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村の中心マリオ・モッタ広場です。広場から丘に向かう道があります。
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広場から丘へと向かうカイレ・アルベルトレッティ通りです。
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通りの突き当りに教会が見えますが、あれがサンタ・マリア・アッスンタ教会です。
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振り返ればオルタ湖が見えます。
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1217年の記録に、この教会の存在が記されてます。12世紀後半の建設とされてます。
現在の建物は、1485年に再建されたロマネスク様式の二代目となるものです。1560年に教区教会に昇格し、現在でも教区教会で、この村のドゥオーモです。
司教座が置かれない町や村では、その区域の教会を統括する教区教会が最も権威が高い教会となり。通常ドゥオーモと称されてます。
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バロック様式の黄色のファサードは、建築家カルロ・ニグラの設計によって、1941年に再建された比較的新しいものです。新しいのはファサードだけで、それ以外のところはオリジナルのロマネスク様式がそのまま残されてます。
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ファサードのフレスコ画
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ファサードてっぺんにある彫刻
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顔を覗かせている後期ロマネスク様式の鐘楼は、1505年に完成しました。
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三廊式、ラテン十字形、ロマネスク様式の内部です。
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左右の側廊に礼拝堂が設けられてます。
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観光客をよく見かけます。
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必見の祭壇画やフレスコ画が揃っていて、小さな村の教区教会とはとても思えないほどです。
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主祭壇と後陣
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主祭壇画はフェルモ・ステッラ・ダ・カラヴァッジョ(カラヴァッジョ、1490c‐1562c)の「聖母被昇天」(1530c)
カラヴァッジョ出身の画家としては、何といってもミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョが最も有名ですが、この二人の他にポリドーロ・ダ・カラヴァッジョなど後世まで名が残る画家が出たのは、恐らく偶然ではないと思います。
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主祭壇上のフレスコ画「聖母戴冠」は、モラッツォーネ(モラッツォーネ、1573‐ピアチェンツァ、1626)によって1615年頃に描かれました。
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モラッツォーネの「聖母戴冠」の上部、クーポラに描かれたフレスコ画はモラッツォーネの作品ではありません。
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アントニオとロッコのFratelli Orgiazza da Varalloによって描かれました。
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写りが悪くて申し訳ないですが、後陣のフレスコ画は、モラッツォーネの影響を受けたノヴァーラの逸名画家によって、1700‐01年に描かれました。
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「ソロモン」のフレスコ画(1753)は、地元の画家ルーカ・ロセッティ・ダ・オルタ(オルタ・サン・ジュリオ、1708‐1770)によって描かれました。
他にもルーカ・ロセッティの作品があります。
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ルーカ・ロセッティの「聖母子と天使たち」
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ルーカ・ロセッティの「聖母の死」
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17世紀のピエモンテの逸名画家による「キリストの鞭打ち」
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詳細不明
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制作者不明の「無原罪の御宿り像」(1783) それ囲む「天使たち」はカルロ・グロッシが1922年に制作したテンペラ画です。
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左側廊にある礼拝堂です。
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イル・ベレッタによるフレスコ画(18世紀)
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同じ礼拝堂の天井
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ガウデンツィオ・フェッラーリの「最後の晩餐」
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ジュリオ・チェーザレ・プロカッチーニの「聖母の結婚」
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タンツィオ・ラヴァッロの「キリストの洗礼」
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18世紀のロンバルディアの逸名画家による「ご訪問」
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予め調べて行くと鑑賞が楽しくなります。
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有名画家の作品が数点あることを事前に知っておれば良いのですが、何も知らないで拝観しては、よほどの鑑賞眼が備わった人でない限り、無理というものです。
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詳細不明
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外に出ました。(ファサード前から見た景観)
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(おわり)