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第15室です。


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第10室、第11室は閉鎖されていたことになります。
前にも書きましたが、展示室と展示作品の再編を行っているようで、従来のグイドブックが役に立ちません。


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天井のフレスコ画


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バッサーノ(バッサーノ・デル・グラッパ、1557‐ヴェネツィア、1622)の「ゲッセマネ園で祈るキリスト」
美術館の方では、この作品の制作者を単にバッサーノとだけしか書いていませんが、それだけで分かる人はよほどの美術ファンと思われます。もう少し親切に書き足すべきと思います。
この作品の制作者はレアンドロ・バッサーノのことです。
画家のバッサーノ一族は、フランチェスコ・ダル・ポンテ・イル・ヴェッキオ通称バッサーノ(バッサーノ・デル・グラッパ、1470/75-1539c)に始まり、フランチェスコの3人の息子ジャンバッティスタ、ジャンフランチェスコ、ヤコポも画家であり、更にヤコポの息子、つまりフランチェスコの孫に当たるフランチェスコ・イル・ジョーヴァネ、ジャンバッティスタ、レアンドロ、ジローラモの4人も画家、総勢8人からなります。その中に通称バッサーノと呼ばれた画家が二人いるわけです。
バッサーノ一族はバッサーノ・デル・グラッパ、ヴェネツィアで工房を構えて作品を制作し大いに繁盛しましたが、彼らの画風が非常に似ていたので、各画家の作品帰属が厄介です。中でも活躍したのは、フランチェスコ・イル・ヴェッキオ、ヤコポ・バッサーノ、レアンドロ・バッサーノの3人でした。
バッサーノ・デル・グラッパのMuseo Civocoに彼らの作品がかなりあるので、ご興味のある方は訪れてみてはいかがでしょうか。


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ティツィアーノの「狩猟に行こうとするアドニスに行くのを止めるようとするヴィーナス」


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パルマ・イル・ジョーヴァネ(ヴェネツィア、1548c‐1628)の「嬰児虐殺」


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カリアーニ(サン・ジョヴァンニ・ビアンコ、1485c‐ヴェネツィア、1547)の「聖母子と聖エリザベッタと聖ジョヴァンニーノ」
カリアーニは、ジョヴァンニ・カリアーニのことで、パルマ・イル・ヴェッキオの強い影響を受けた画風でした。


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ロレンツォ・ロット(ヴェネツィア、1480c‐トレーと、1556)の「アレッサンドリアの聖カテリーナの神秘な結婚と聖人たち(聖ジローラモ、聖ジョルジョ、聖セバスティアーノ、聖アントニオ・アバーテ、バーリの聖二コラ)」(1524)


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ティントレット(ヴェネツィア、1556‐1635)の「悔悛の聖ジローラモ」


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ティントレットの「キリストと姦通女」


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スカルセッリーノ(フェッラーラ、1550‐1620)の「ゲッセマネ園でのキリストの祈り」


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スカルセッリーノの「ラザロの蘇生」


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スカルセッリーノの「嬰児虐殺」


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スカルセッリーノの「我に触れるな」


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次は第16室です。


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比較的広い部屋に肖像画が並んでます。


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天井のフレスコ画ですが、この絵を覚えておいてください。


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ニッコロ・デッラバーテ(モデナ、1509/12-フォンテーヌブロー、1571)の「若い男の肖像」
左に犬が描かれてます。この人は犬好きだったでしょうね。


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バルトロメオ・ヴェネト(ヴェネトとロンバルディアで1502‐1530活動)の「紳士の肖像」


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ジョヴァンニ・アンブロージョ・フィジーノ(ミラノ、1548‐1608)の「チェーザレ・カヴァルカーボの肖像」


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フェデリーコ・ズッカリ(サンタンジェロ・イン・ヴァード、1540/42- アンコーナ、1609)の「紳士の肖像」


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ブレーシャニーノ(シエナ、1487‐1525以降没)の「サルピツィア・ペトルッチも肖像」


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ジローラモ・ダ・カルピ(フェッラーラ、1501‐1556)の「紳士の肖像」


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ジローラモ・シチオランテ(セルモネータ、1521‐ローマ、1572)の「フランチェスコ・コロンナ2世の肖像」


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ブロンズィーノ(フィレンツェ、1503‐1572)の「ステファノ・コロンナ4世の肖像」


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アンドレア・サッキ(ネットゥーモ、1599‐ローマ、1661)の「神の徳の寓意」
肖像画の展示室に場違いな寓意画が展示されてます。ここで何故だろう、と思わないとイケマセン。


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種明かしは簡単です。天井のフレスコ画をご覧になれば一目瞭然です。
油彩画は、天井フレスコの原画というわけです。
アンドレア・サッキが描いたフレスコ画です。


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有名な作品です。


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Hans Holbein (Augsburg, 1498- Londra, 1543)の「ヘンリー8世の肖像」


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シピオーネ・プルツォーネ(ガエータ、1544‐ローマ、1598)の「ジョヴァンニ・リッチ枢機卿の肖像」


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16世紀のフィレンツェの逸名画家による「女性(イサベッラ・デ・メディチ?)の肖像」


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ヤコポ・ズッキ(フィレンツェ、1540c‐ローマ、1596以降没)の「クレーリア・ファルネーゼの肖像」


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第23室です。
この部屋に隣接してCappella di Pietro da Cortonaがあります。従来、礼拝堂は第16B 室とされていました。


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中に入れないので、少しだけ開けられた所から覗き込むような形で拝観しました。


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ピエトロ・ダ・コルトーナと弟子たちによって制作されたフレスコ画が見どころです。弟子と言っても今も知られている画家です。


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ピエトロ・ダ・コルトーナの「磔刑」


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ピエトロ・パオロ・バルディーニ(ウバルディーニとも呼ばれてます)の「キリストの復活」


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ジョヴァンニ・フランチェスコ・ロマネッリの「羊飼いの礼拝」


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見えない部分が多くて、少々ガックリ。
(つづく)