ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノという画家をご存知でしょうか。彼が描いた、ウフィツィ美術館にある「マギの礼拝」が有名です。
ジェンティーレの出身地がファブリアーノです。

これがジェンティーレの作品です。

ファブリアーノは、人口31,255人(2016年7月31日現在)のマルケ州アンコーナ県にあるコムーネです。
周囲を山に囲まれた町で、古くから林業で栄えました。水彩画などを楽しむ方々には、同地名産の画用紙「ファブリアーノ」でお馴染みでしょう。

ファブリアーノには、14世紀から15世紀にかけて国際ゴシック様式を学ぶ美術学校が設置され、ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノを筆頭に優れた画家を輩出し、イタリア美術史上、重要な町となってます。
その美術学校で学んだ画家たちの貴重な作品が展示されているのが、ファブリアーノ市立絵画館です。

写真左の壁は司教館のものです。
アーチを潜ってドゥオーモ広場に出ます。

ドゥオーモ広場

ドゥオーモです。

1456年に建設された後期ゴシック様式の司教館です。

ところが、司教館として建設されたものの、司教に一度も使用されずに、建物はすぐに病院に転用されたのです。

Ospedale di Santa Maria del Buon Gesuがその病院の名称です。

病院は20世紀初めまで存続しました。

司教館として建てられ、旧病院だった建物に絵画館が置かれてます。

ここから中に入ります。

毎週月曜日と日曜日午後が休館です。

入口扉上ルネッタ上に描かれたアンドレア・ボスコーリ(フィレンツェ、1560c‐1607)のフレスコ画(1602c)

建物を入って直ぐのところにある、Maestro di Staffoloの「聖母」(1460)

切符売り場

旧病院の中庭

中庭を囲む柱廊の壁にフレスコ画があったと思います。

井戸の向こうに展示室への扉があります。

展示室は階上です。

第1展示室

アッレグレット・ヌーツィ(1315‐1373)の「聖母子」
アッレフレッロは、ファブリアーノ出身で地元で修業したとされてます。その画風は国際ゴシック様式を基礎としながらもジョットの影響を受けたもので、ジョッテスキ画家の一人とされてます。

アッレグレット・ヌーツィの「聖アントニオ・アバーテと福音書記者聖ジョヴァンニ」
この美術館にアッレグレットの作品が数点展示されてます。

アッレグレット・ヌーツィの「聖母子と4聖人」

アッレグレット・ヌーツィの「トレンティーノの聖二コラと聖ステファノと聖アゴスティーノ」

アッレグレット・ヌーツィの「聖母子と2聖人」(フレスコ)

プッチョ・ディ・シモーネ(1346‐1358活動記録)の「聖アントニオ・アバーテと寄進者たち」
プッチョはフィレンツェでベルナルド・ダッディに師事したとされてます。

次の部屋です。

フランチェスクッチョ・ディ・チェッコ・ゲッシの「聖母子と4聖人」
フランチェスクッチョは、14世紀後半にファーノ、ファブリアーノ、アスコリ・ピチェーノなどマルケ州各地で活動した画家で、その画風はアッレグレット・ヌーツィの影響を大きく受けたものでした。

フランチェスクッチョ・ディ・チェッコ・ゲッシの「授乳の聖母」
ファブリアーノのサンタ・ルチア教会にあった祭壇画です。

フランチェスクッチョ・ディ・チェッコ・ゲッシの「天使」
この絵画館では、ファブリアーノとその周辺にある教会から集められた剥離フレスコ画が多数展示されてます。

Maestro di Fossato(ウンブリアで14世紀後半から15世紀前半に活動)の「磔刑と聖人たち」

Maestro di San Vescondo(1415-1430活動記録)の「聖母子と聖アゴスティーノと聖ヴェレコンド」
この画家の作品がヴァチカン絵画館(聖母子と聖人たち)やボローニャ国立絵画館(ピエタ)などにあります。

Maestro di Staffoloの「幼きキリストを崇める聖母と洗礼者聖ジョヴァンニとアレッサンドリアの聖カテリーナ」
この画家はジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの追随者でした。

アントニオ・ダ・ファブリアーノの「聖母の死」
アントニオは、ファブリアーノ出身で、ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノに一時期師事して、ジェンティーレの助手を務めていました。

マルケの無名画家の「聖母子」

ウンブリア・マルケの無名画家の「聖母子と聖人たち」

ビッチ・ディ・ロレンツォの「玉座の聖母子と洗礼者聖ジョヴァンニと聖ジャコモ・マッジョーレ」

無名画家の「玉座の聖母子と聖人たち」

無名画家の「聖セバスティアーノ」

無名画家の「聖アグネス」

ベルナルディーノ・ディ・マリオット(ペルージャ、1497‐1566活動記録)の「聖母子」(1497)

制作者不詳の「聖母子」

制作者不詳の「聖母子」(14世紀)
ファブリアーノの教会にありました。

ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの追随者の「聖セバスティアーノ」

制作者不詳の「ファブリアーノの安寧を祈る二修道女」

フィリッポ・ダ・ヴェローナの「聖母子と聖ピエトロとバーリの聖二コラ」(1514)

制作者不詳の「聖母子と洗礼者聖ジョヴァンニとトレンティーノの聖二コラ」

ヴァランツィオ・ダ・カメリーノの「聖母子と聖パオロと聖ピエトロ」

メインパネル

裾絵の受胎告知する大天使ガブリエーレ

受胎告知される聖母

制作者不詳の「天上の聖母子と聖人たち」

制作者不詳の「聖母子と聖パオロとトレンティーノの聖二コラ」

ジャコモ・ナルディーニの「聖母子と聖人たち」

タペストリの展示


シモーネ・ダ・マジストリス(カルドナーラ、1538‐1611c)の「羊飼いの礼拝」

アンドレア・ボスコーリ(フィレンツェ、1560‐1606)の「ご誕生」(1600)

16世紀後半の無名画家の「聖母子と聖人たちと天使たち」

詳細不明の「最後の審判」

フランチェスコ・ポデスティ(アンコーナ、1800、ローマ、1895)の「天上界」

現代画が多数展示されてます。

近代から現代の作品紹介は省略させていただきます。


ドゥオーモの扉が閉まっていました。

(おわり)
ジェンティーレの出身地がファブリアーノです。

これがジェンティーレの作品です。

ファブリアーノは、人口31,255人(2016年7月31日現在)のマルケ州アンコーナ県にあるコムーネです。
周囲を山に囲まれた町で、古くから林業で栄えました。水彩画などを楽しむ方々には、同地名産の画用紙「ファブリアーノ」でお馴染みでしょう。

ファブリアーノには、14世紀から15世紀にかけて国際ゴシック様式を学ぶ美術学校が設置され、ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノを筆頭に優れた画家を輩出し、イタリア美術史上、重要な町となってます。
その美術学校で学んだ画家たちの貴重な作品が展示されているのが、ファブリアーノ市立絵画館です。

写真左の壁は司教館のものです。
アーチを潜ってドゥオーモ広場に出ます。

ドゥオーモ広場

ドゥオーモです。

1456年に建設された後期ゴシック様式の司教館です。

ところが、司教館として建設されたものの、司教に一度も使用されずに、建物はすぐに病院に転用されたのです。

Ospedale di Santa Maria del Buon Gesuがその病院の名称です。

病院は20世紀初めまで存続しました。

司教館として建てられ、旧病院だった建物に絵画館が置かれてます。

ここから中に入ります。

毎週月曜日と日曜日午後が休館です。

入口扉上ルネッタ上に描かれたアンドレア・ボスコーリ(フィレンツェ、1560c‐1607)のフレスコ画(1602c)

建物を入って直ぐのところにある、Maestro di Staffoloの「聖母」(1460)

切符売り場

旧病院の中庭

中庭を囲む柱廊の壁にフレスコ画があったと思います。

井戸の向こうに展示室への扉があります。

展示室は階上です。

第1展示室

アッレグレット・ヌーツィ(1315‐1373)の「聖母子」
アッレフレッロは、ファブリアーノ出身で地元で修業したとされてます。その画風は国際ゴシック様式を基礎としながらもジョットの影響を受けたもので、ジョッテスキ画家の一人とされてます。

アッレグレット・ヌーツィの「聖アントニオ・アバーテと福音書記者聖ジョヴァンニ」
この美術館にアッレグレットの作品が数点展示されてます。

アッレグレット・ヌーツィの「聖母子と4聖人」

アッレグレット・ヌーツィの「トレンティーノの聖二コラと聖ステファノと聖アゴスティーノ」

アッレグレット・ヌーツィの「聖母子と2聖人」(フレスコ)

プッチョ・ディ・シモーネ(1346‐1358活動記録)の「聖アントニオ・アバーテと寄進者たち」
プッチョはフィレンツェでベルナルド・ダッディに師事したとされてます。

次の部屋です。

フランチェスクッチョ・ディ・チェッコ・ゲッシの「聖母子と4聖人」
フランチェスクッチョは、14世紀後半にファーノ、ファブリアーノ、アスコリ・ピチェーノなどマルケ州各地で活動した画家で、その画風はアッレグレット・ヌーツィの影響を大きく受けたものでした。

フランチェスクッチョ・ディ・チェッコ・ゲッシの「授乳の聖母」
ファブリアーノのサンタ・ルチア教会にあった祭壇画です。

フランチェスクッチョ・ディ・チェッコ・ゲッシの「天使」
この絵画館では、ファブリアーノとその周辺にある教会から集められた剥離フレスコ画が多数展示されてます。

Maestro di Fossato(ウンブリアで14世紀後半から15世紀前半に活動)の「磔刑と聖人たち」

Maestro di San Vescondo(1415-1430活動記録)の「聖母子と聖アゴスティーノと聖ヴェレコンド」
この画家の作品がヴァチカン絵画館(聖母子と聖人たち)やボローニャ国立絵画館(ピエタ)などにあります。

Maestro di Staffoloの「幼きキリストを崇める聖母と洗礼者聖ジョヴァンニとアレッサンドリアの聖カテリーナ」
この画家はジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの追随者でした。

アントニオ・ダ・ファブリアーノの「聖母の死」
アントニオは、ファブリアーノ出身で、ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノに一時期師事して、ジェンティーレの助手を務めていました。

マルケの無名画家の「聖母子」

ウンブリア・マルケの無名画家の「聖母子と聖人たち」

ビッチ・ディ・ロレンツォの「玉座の聖母子と洗礼者聖ジョヴァンニと聖ジャコモ・マッジョーレ」

無名画家の「玉座の聖母子と聖人たち」

無名画家の「聖セバスティアーノ」

無名画家の「聖アグネス」

ベルナルディーノ・ディ・マリオット(ペルージャ、1497‐1566活動記録)の「聖母子」(1497)

制作者不詳の「聖母子」

制作者不詳の「聖母子」(14世紀)
ファブリアーノの教会にありました。

ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの追随者の「聖セバスティアーノ」

制作者不詳の「ファブリアーノの安寧を祈る二修道女」

フィリッポ・ダ・ヴェローナの「聖母子と聖ピエトロとバーリの聖二コラ」(1514)

制作者不詳の「聖母子と洗礼者聖ジョヴァンニとトレンティーノの聖二コラ」

ヴァランツィオ・ダ・カメリーノの「聖母子と聖パオロと聖ピエトロ」

メインパネル

裾絵の受胎告知する大天使ガブリエーレ

受胎告知される聖母

制作者不詳の「天上の聖母子と聖人たち」

制作者不詳の「聖母子と聖パオロとトレンティーノの聖二コラ」

ジャコモ・ナルディーニの「聖母子と聖人たち」

タペストリの展示


シモーネ・ダ・マジストリス(カルドナーラ、1538‐1611c)の「羊飼いの礼拝」

アンドレア・ボスコーリ(フィレンツェ、1560‐1606)の「ご誕生」(1600)

16世紀後半の無名画家の「聖母子と聖人たちと天使たち」

詳細不明の「最後の審判」

フランチェスコ・ポデスティ(アンコーナ、1800、ローマ、1895)の「天上界」

現代画が多数展示されてます。

近代から現代の作品紹介は省略させていただきます。


ドゥオーモの扉が閉まっていました。

(おわり)