イタリア芸術を楽しむ

イタリアの魅力を味わい尽くすには、一生に何度旅をすれば足りるだろう。芸術の宝庫にして、歴史の生きた証であるイタリア。 惹き付けて止まない絵画、彫刻、歴史的建造物、オペラなど、芸術の宝庫であるイタリアを楽しむブログです。 記事は一日に一つアップしています。記事の見方ですが、例えば「ボルゲーゼ美術館の展示作品(その4)」は2017年10月20日にアップしました。各記事にカレンダーが表示されてますが、カレンダー上の2017年10月21日をクリックして頂ければ「ボルゲーゼ美術館の展示作品(その5)」になります。(その3)は2017年10月20日となります。 BY:シニョレッリ

カテゴリ:美術館 > サンセポルクロ市立美術館

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

今年最初の投稿は、昨年末に引き続きサンセポルクロ市立美術館の後編です。
P1730802
美術館のベランダからの景色です。


P1730803
一休みするには最適な場所です。


P1730806
美術館のこちら側も修復工事が行われていました。


P1730808


P1730809
一休み終了


P1730815
ピエロ・デッラ・フランチェスカの「聖ジュリアーノ」
と言いたい所ですが・・・・・ 実は違います。


P1730816
ピエロのフレスコ画作品だけを集めたコーナーが建設中でした。


P1730819
「キリストの復活」はありましたが、立ち入りが制限されていて近付いて見ることが出来ません。


P1730820
コーナーの外から見ようとしても、途中の壁が邪魔していました。


P1730818
これではどうしようもない。


P1730821
横から何とか見ることが出来ました。
その他のピエロの2点のフレスコ画は多分、このコーナーの奥の方にあると思うのですが。


Piero_della_francesca,_san_giuliano
仕方がないので、外部サイトから作品画像を拝借します。ピエロ・デッラ・フランチェスカの「聖ジュリアーノ」


Piero_della_Francesca_-_St_Ludovico_-_WGA17634
ピエロ・デッラ・フランチェスカの「聖ルドヴィーコ」


08resur1
ピエロ・デッラ・フランチェスカの「キリストの復活」
今頃は工事が終わって、全部見ることが出来るのでしょうね。


P1730824
ミニバルド・イービ(ボルゴ・サン・セポルクロ、1475‐1548)の「聖ピエトロ」と「聖パオロ」


P1730826
「聖ピエトロ」


P1730827
「聖パオロ」


P1730836
ジュリアーノ・ダ・ピストイア(ピストイア、1480‐1529)の「救助の聖母」(1502)


P1730841
アンドレア・デッラ・ロッビア(フィレンツェ、1435‐1525)と工房の「聖母子」(1503)


P1730846
ポントルモ(1494‐1556)の「聖クインティーノ」


P1730850
ジョヴァン・バッティスタ・クンギ(サンセポルクロで16世紀に活動)の「受胎告知」(1547)


P1730853
16世紀の無名画家の「4聖人」


P1730855
「洗礼者聖ジョヴァンニ」


P1730856
「聖セバスティアーノ」


P1730859
「十字架を手にするキリスト」


P1730861
「聖バルトロメオ」


P1730864
アンドレア・デッラ・ロッビア工房の「ご誕生」(1485)


P1730870
これは問題の作品です。中央部分が欠けてますね。これを見ると悲しくなります。


P1730893
マッテオ・ディ・ジョヴァンニの「聖ピエトロと聖パオロの多翼祭壇画」です。ここに欠落した中央パネルについて一応書かれていますが、詳細には触れられてません。


02bapti1
欠落した中央パネルはこの作品です。
ピエロ・デッラ・フランチェスカの「キリストの洗礼」です。現在、ロンドンのナショナル・ギャラリーにあります。多翼祭壇画から外され、何故イギリスに渡ることになったのか、その理由に納得できません。約170年前に起きたことなので、今さら言っても始まりませんが言いたいです。


P1740483
サンセポルクロのサン・フランチェスコ教会です。


P1740477
あの多翼祭壇画はサン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会の主祭壇を飾るために注文されました。


P1740474
現在は活動が停止された旧教会になってます。


P1740485
1807年、多翼祭壇画はこの教会から取り外され、ドゥオーモに移されました。そして、1857年、当時の司教がイギリス商人に僅か2万3000ポンドで「キリストの洗礼」だけを売ったのです。
何故売ったのか、その理由は今となっては分かりません。ドゥオーモやサンセポルクロ市当局は、その理由を多分知っているに違いないのですが、恥と思っているのでしょう、触れられたくないようです。


P1730871
「聖ピエトロ」
件の多翼祭壇画に戻します。


P1730878
左端の聖人たち


P1730874
「聖パオロ」
欠落したままで見せられるのは辛いものがあります。ドウセなら、残った全部をナショナル・ギャラリーに売却して、完全な形で観たいものです。


P1730876
右端の聖人たち


P1730880
裾絵です。


P1730882
裾絵のテーマは「洗礼者聖ジョヴァンニの生涯」です。


P1730884


P1730887


P1730889


P1730891


P1730892
この作品の前に立つと「キリストの洗礼」がある姿が中々浮かびません。


P1730896
ジョヴァンニ・デ・ヴェッキ(ボルゴ・サン・セポルクロ、1537‐ローマ、1615)の「聖母の寺院への出現」(1570‐80c)


P1730900
ラッファエッリーノ・デル・コッレの「キリストの寺院への出現」


P1730905
ジョヴァンニ・デ・ヴェッキの「聖母の誕生」(1570‐80c)


P1730910
サンティ・ディ・ティート(ボルゴ・サン・セポルクロ、1536‐1603)の「ビアンカ・カッペロの肖像」


P1730916
アントニオとレミージョのカンタガッリーナ兄弟の「最後の晩餐」


P1730921
サンティ・ディ・ティートの「ピエタのキリストと2天使」


P1730924
サンティ・ディ・ティートの「グラウコとシッラ」(1580‐90c)


P1730930
17世紀の無名画家の「聖フランチェスコ」


P1730935
アゴスティーノ・シャンペッリ(フィレンツェ、1565‐1630)の「偶像の撲滅」(1618)


P1730940
サンティ・ディ・ティートの「受胎告知」


P1730945
アンドレア・ポッツォ(トレント、1642‐ウィーン、1709)の「インドの女王を改宗させる聖フランチェスコ・サヴェーリオ」(1690)


P1730951
サンティ・ディ・ティートの「教皇聖クレメンテ」(1592)


P1730955
サンティ・ディ・ティートの「エジプトへの逃避途中の休息」


P1730960
サンティ・ディ・ティートの「トレンティーノの聖にココラ」(1588)
これで終わりのようです。
しかし、ルーカ・シニョレッリの作品が展示されてません。


800px-Luca_signorelli,_crocifissione_di_san_sepolcro
これもお目当てでした。
ルーカ・シニョレッリの「磔刑」です。


800px-Luca_signorelli,_santi_eligio_e_antonio,_sansepolcro
この作品の裏面にもルーカの作品があるのです。


P1740454
ところがこの日の夕方、この教会に行ったのですが驚きました。


P1740367
何と何と、ルーカの作品が主祭壇にあるではないですか!!!


P1740375
サンセポルクロのサン・アントニオ・アバーテ教会の主祭壇画がルーカ・シニョレッリの「磔刑」だったのです。


P1740382
元々、この教会の主祭壇画でしたが、取り外されて市立美術館で展示されていましたが、何時の間にか元の場所に戻されていました。ビックリです。
流石に裏面を見ることは出来ないようでした。


P1730964
主要作品をもう一度見ました。


P1730969
同じように見えても美術館は行く度毎に違います。


P1730971
どのように変わっているのか、それを知るのも楽しみの一つです。


P1730981
楽しかった!!!!


P1740536
(おわり)

2016年の最後の投稿です。
P1730460
サンセポルクロのニッコロ通りです。この先に市立美術館があります。


P1730471
Palazzo della Residenzaです。


P1730979
市立美術館が設けられているパラッツォは工事中でした。


219
工事中でないときの写真を掲載しましょう。


222
この建物は14世紀後半から15世紀前半にボルゴ・サン・セポルクロを支配していたマラテスタ家によって1456年に完成した旧マラテスタ宮です。
市立美術館として使用されるようになったのは1975年からです。


221
このところ少しづつ展示作品が変わっていると思います。


P1730978
ピエロ・デッラ・フランチェスカの作品が4点展示されています。


P1740047
私が大好きなルーカ・シニョレッリの作品も展示されているので楽しみです。


P1730638
これは非常に興味深い作品です。
アンジェロ・トリッカ(サンセポルクロ、1817‐フィレンツェ、1884)の「ルーカ・パチョーリの幾何学の説明に対して意見を言うピエロ・デッラ・フランチェスカ」
ピエロ・デッラ・フランチェスカは、当時一流の数学者で、数学の専門書を数冊出版しています。ルーカはピエロの数学上の一番弟子です。因みに絵画上の一番弟子はルーカ・シニョレッリです。
二人のルーカがピエロの弟子だったわけです。


P1730641
ジュリアーノ・ダ・ピストイア(ボルゴ・サン・セポルクロ、1480‐1527)の「聖母子と4聖人と2天使」


P1730645
クリストフォロ・ゲラルディと工房の「幼きキリストへの崇拝」(18世紀)


P1730648
ジョヴァンニ・デル・レオーネ(16世紀に活動)?の「Pellegrinaggio della Compagnia del Crocifisso a Loreto in Occasione della peste del 1523」(16世紀前半)


P1730654
フェデリーコ・ゾイ(サンセポルクロで18世紀に活動)の「エジーディオの巡礼」


P1730657
フェデリーコ・ゾイの「アルカーノの巡礼」


P1730661
アンジェロ・トリッカの「ピエロ・デッラ・フランチェスカ」(1875)


P1730675
ピエロ・デッラ・フランチェスカの「慈悲の聖母の多翼祭壇画」(1445‐1462)
サン・セポルクロのミゼリコルディア教会にありました。
主要部分が3つに分けられて展示されていました。


Polittico%20intero%20scontornato
全体の配置はこうなります。


P1730811
欠落パネルが一つもなく、全パネルが揃っているので、こうして展示して欲しいと思います。


P1730673
中央の「慈悲の聖母」
フォルリで開催された「ピエロ・デッラ・フランチェスカ展」には、このパネルだけが貸し出されていました。


P1730665
「聖セバスティアーノと洗礼者聖ジョヴァンニ」


P1730669
「福音書記者聖ジョヴァンニとシエナの聖ベルナルディーノ」


P1730700
頭頂部と裾絵が一緒に展示されていました。
違和感がありました。
工事中の一時的な措置なのか、その辺が良く分かりませんが、多翼祭壇画の全体像が分かっていないと、これだけ見せられても困りますね。


P1730681
極め付きはこの展示です。左端と右端だけが一緒に展示されていました。


P1730686
左端部分


P1730689
左端の裾絵


P1730682
右端の「聖人たち」


P1730685
右端の裾絵
次は頭頂部の各パネルです。


P1730702
「磔刑」
上部に切断されたような跡が残されています。切り取られてパネル毎に展示されたことがある?


P1730708
「聖ベネデット」と「受胎告知する大天使ガブリエーレ」
これらも切断された痕跡?があります。


P1730705
「受胎告知される聖母」と「聖フランチェスコ」
次は裾絵です。


P1730712
「我に触れるな」


P1730714
「復活してキリストによって空になった棺」


P1730715
「キリストの埋葬」


P1730718
「キリストの鞭打ち」


P1730719
「ゲッセマネ園での祈り」
これで全パネルになります。


Polittico%20intero%20scontornato
もう一度全体の配置図を見ないと各パネルの位置が分かりませんね。


P1730678
ジョヴァン・バッティスタ・メルカーティ(サンセポルクロ、1610‐1637活動)の「無原罪の御宿り」


P1730692
パッシニャーノ(1559‐1638)の「磔刑」(17世紀初頭)


P1730696
17世紀の無名画家の「最後の晩餐」


P1730722
レアンドロ・バッサーノ(バッサーノ・デル・グラッパ、1557‐ヴェネツィア、1622)の「マギの礼拝」


P1730727
ジョヴァン・バッティスタ・メルカーティに帰属する「悔悛のマグダラのマリア」(17世紀)


P1730730
ジュリアーノ・アマディ?の「ユディト」(15世紀)


P1730734
詳細不明


P1730737
詳細不明


P1730740
14世紀の無名画家の「トレンティーノの聖二コラ」


P1730743
14世紀の無名画家の「聖フランチェスコ」


P1730746
14世紀の無名画家の「受胎告知」


P1730751
14世紀の無名画家の「聖キアーラ」


P1730756
14世紀の無名画家の「アレッサンドリアの聖カテリーナ」


P1730753
詳細不明


P1730760
14世紀の無名画家の「聖母子と聖アントニオ・アバーテとアレッサンドリアの聖カテリーナ」


P1730765
アントニオ・ダ・アンギアーリに帰属する「聖母子と聖人たち」(15世紀前半)


P1730768
16世紀の無名画家の「聖セバスティアーノ」


P1730774
ニッコロ・ディ・アーニョロ・デル・ファンティーノの「La Giustizia」(1441)


P1730777
14世紀の無名画家の「アレッサンドリアの聖カテリーナの生涯のエピソード」


P1730781
フレスコ画の下絵(シノピエ)


P1730784


P1730788
14世紀の無名画家の「聖アメリアの生涯のエピソード」


P1730792
14世紀の無名画家の「聖母子と2聖人」


P1730796
15世紀の無名画家の「聖母子」


P1730799
15世紀の無名画家の「聖母子と聖アントニオ・アバーテ」
(つづく)

皆様、本年も有難うございました、感謝に堪えません。
9月下旬にこちらのサイトに引っ越しさせて頂きましたが、慣れぬことゆえ、数々の不都合が生じてしまいました。お詫び申し上げます。
来年もどうぞよろしくお願いします。

良いお年をお迎えください。

↑このページのトップヘ