イタリア芸術を楽しむ

イタリアの魅力を味わい尽くすには、一生に何度旅をすれば足りるだろう。芸術の宝庫にして、歴史の生きた証であるイタリア。 惹き付けて止まない絵画、彫刻、歴史的建造物、オペラなど、芸術の宝庫であるイタリアを楽しむブログです。 記事は一日に一つアップしています。記事の見方ですが、例えば「ボルゲーゼ美術館の展示作品(その4)」は2017年10月20日にアップしました。各記事にカレンダーが表示されてますが、カレンダー上の2017年10月21日をクリックして頂ければ「ボルゲーゼ美術館の展示作品(その5)」になります。(その3)は2017年10月20日となります。 BY:シニョレッリ

カテゴリ:美術館 > ナポリ、ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会と画廊

美術館は教会と画廊に分かれており、後編は画廊です。
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教会と画廊はそれぞれ別の入り口から入ります。


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画廊は建物の二階(日本の)にあります。その一部は教会の上にあります。


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画廊の展示はナポリ派画家たちの作品が中心です。


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画廊展示室の入り口


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フランチェスコ・マリア・カゼッリ(ヴェローナで1640‐1660活動記録)の「金の子羊への礼拝」


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チェーザレ・フラカンツァーノ(1605‐1652)の「悪魔に取りつかれた人を救うキリスト」


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チェーザレ・フラカンツァーノの「ピエタ」


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フランチェスコ・アントニオ・アルトベッロ(ビトント、1637‐1695c)の「聖ジローラモ」


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マッティア・プレティーの「我に触れるな」


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マッティア・プレティーの「キリストから注文を受ける天使」


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マッティア・プレティーの「キリストを誘惑する悪魔」


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マッティア・プレティーの「ご訪問」


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マッティア・プレティーの「幼きキリストとパドヴァの聖アントニオ」


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ルーカ・ジョルダーノの「聖ピエトロ」


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マッシモ・スタンツィオーネの「聖アポッロニア」


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マッシモ・スタンツィオーネの「幼きキリストとパドヴァの聖アントニオ」


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マッシモ・スタンツィオーネの「聖アグネス」


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17世紀のナポリ派無名画家の「グイド・レーニ作『聖ルーカ』と『福音書記者聖ジョヴァンニ』の複製画」


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ミサ中の教会が見えました。


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ナポリ派画家たちの作品が揃ってます。


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フランチェスコ・デ・ムーラの「十字架を崇める聖パオロ」


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フランチェスコ・デ・ムーラの「悔悛のマグダラのマリア」(1760c)


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フランチェスコ・デ・ムーラの「最後の晩餐」(1750c)


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フランチェスコ・デ・ムーラの「ご訪問」(1750c)


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フランチェスコ・デ・ムーラの「エジプトへの逃避途中の休息」(1751)


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ドメニコ・アントニオ・ヴァッカーロ(ナポリ、1678‐1745)の「天上の聖マルティーレ」


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フランチェスコ・デ・ムーラの「聖母子と聖ジョヴァンニーノ」(1750c)


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フランチェスコ・デ・ムーラの「洗礼者聖ジョヴァンニ」(1765c)


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フランチェスコ・デ・ムーラの「天上の聖母子と聖ローザと洗礼者聖ジョヴァンニ」(1720c)


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フランチェスコ・デ・ムーラの「嘆きの聖母」(1760‐70c)


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フランチェスコ・デ・ムーラの「荊刑のキリスト」(1760c)


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教会だけに行って画廊に足を運ばない人が結構いますね。


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ジローラモ・ダ・サレルノ(ナポリ、1514‐1521生存記録)の「マギの礼拝」


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ジョヴァンニ・バリオーネの「キリストの埋葬」
皮肉なことに、カラヴァッジョの作品があるところにバリオーネの作品を見かけることが多いですね。


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ファブリツィオ・サンタフェ―デと工房の「聖母子とベネデット会修道士」


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レオナルド・コッコランテ(ナポリ、1680‐1750)の「遺跡」


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ファブリツィオ・サンタフェ―デの「聖家族と聖ルチア」


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テオドーロ・デッリーコ(ナポリ、1574‐1606記録)の「プリタの聖母」


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アンドレア・ヴァッカーロ(ナポリ、1604‐1670)の「ピエタ」


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ジュゼッペ・ダ・リベラの「聖アントニオ・アバーテ」


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フランチェスコ・デ・ムーラの「アガルとイシマエル」(1737‐38)


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他に聖具類、聖職者の衣装、調度品などが展示されてます。


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ハープシコード


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フランチェスコ・デ・ムーラの「受胎告知」(1710c)


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ブロンズィーノの「エレオノーラ・ディ・トレドの肖像」
エレオノーラが老年になった頃の肖像画です。彼女が更に老いた頃の肖像画がルッカ―にあります。


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参考までに、エレオノーラが若かりし頃の肖像画がこれです。ブロンズィーノの作品で、フィレンツェのウフィツィ美術館にあります。
エレオノーラはナポリ副王の娘で、トスカーナ大公コジモ1世の妻でした。


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ファブリツィオ・サンタフェ―デの「武具の男の肖像」


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Maestro del Giudizio di Salomone (ローマで17世紀前半活動)の「聖ピエトロの拒否」


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Dirck van Baburen (1595c-1624)の「聖トッマーゾの不信」


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ポリドーロ・ダ・カラヴァッジョの作品


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ナポリの無名画家の「マルコ・ピーノ作『聖家族』のコピー画」


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ナポリの無名画家の「ルーカ・ジョルダーノ作『聖母子と聖ジョヴァンニーノ』のコピー画」


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ジョヴァン・ベルナルディーノ・アッゾフィーノ(ナポリ、1594‐1645記録)と工房の「羊飼いの礼拝」


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イル・チェラーノの「聖フランチェスコ」


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エンリコ・フィアッミンゴ(アムステルダム、1607c‐1684)の「聖ジローラモ」


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ナポリの画家たちは、ドメニキーノを殺したことから分かるようにかなり嫌なところがあります。


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(おわり)

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ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディアは、教会と画廊から成る美術館です。
前編は、カラヴァッジョの「慈悲の七つの行い」があるピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会です。
カプア―ナ城からダンテ駅へと通じるトリブナーリ通りです。


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如何にもナポリらしい、バイクや車が疾走する喧噪に満ち、道路上には犬の糞があちこちにある裏通りです。道路上のゴミ、糞に関して言えば、私が行った市町村の中でナポリは最悪で不衛生極まりない街です。ナポリの人たちの頭は相当にイカレテイルと思います。
2,3年前、ゴミ収集従事者のストライキ中にナポリに行ったことがありますが、街角のあちこちのゴミ山にたかる野良猫やネズミを見て、ペストに罹るのではないかと心配になりました。それでもナポリの人たちは平気なようで、ビックリしました。翌日、ゴミ山は更に大きくなり、翌々日はもっともっと高くなりました。ナポリ人、恐るべしです。


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通りに面して教会があります。


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外観が教会らしくないので、うっかりすると見過ごす可能性がありそうです。


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余談ですが、ナポリでは、大体このホテルに泊まることが多い。ホテル名のカラヴァッジョは、ホテルがカラヴァッジョ作品がある教会前の広場にあることに由来していると思います。

カラヴァッジョの「慈悲の7つの行い」があるピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会が美術館として公開されるようになったのは2005年頃だったと思いますが、それ以前は教会の扉が開いていることが少なくなく、カラヴァッジョ作品を鑑賞できるか否かは正に運次第でした。
ミサの時は開くことが分かり、このホテルに泊まり、扉が開くのを待っていたものでした。それでもナポリ滞在中に拝観できなかったことがありました。


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美術館になってくれて大歓迎です。


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ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディアは、プロテスタントに対抗するために、1601年8月に設立された慈善団体です。
団体の設立後、教会を建てることになり、1602年に創建され、1606年に完成したバロック様式のピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会です。


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ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディアのロッジャです。
教会は慈善団体の建物の一部に組み込まれています。


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建物図の写真右下が教会です。


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ロッジャの壁に「慈悲の7つの行い」の写真が掲げられてます。


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ミサ中は教会の中に入ることが出来ません。


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通りから建物の中に入ります。切符売り場は写真左側にあります。


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中庭


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中庭の彫刻


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中庭に出る右手前に教会への入り口があります。


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入って直ぐのところに「慈悲の聖母」の彫刻があります。


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中に入りました。


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八角形の内部です。7つの礼拝堂と主祭壇があります。


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この教会の存在をあまり知られていないようで、拝観者が多いということは先ずありませんが、時々、カラヴァッジョ作品ツアーのご一行が訪れます。


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クーポラ


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主祭壇


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主祭壇画は、カラヴァッジョの「慈悲の7つの行い」(1607)です。


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教会は1606年9月に完成しました。
新教会に相応しい主祭壇画の注文先を探していましたが、その翌月の1606年10月、ローマで殺人を犯し偶々ナポリに逃亡してきたカラヴァッジョに祭壇画が注文されました。


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そうして1607年1月に完成したのが、この「慈悲の7つの行い」でした。同信会が行っていた慈善事業を聖書の記述によって表現した傑作です。
作品制作料は400ドゥカートだったとの記録が残されてます。当時の1ドゥカートは今の約10万円説を採用すれば、画料は約4000万円!ということになります。

7つの礼拝堂には、それぞれ祭壇画が掲げられてます。


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バッティステッロの代表作です。


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「獄中からの聖ピエトロの解放」(1615)


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ルーカ・ジョルダーノの「十字架降下」(1671)


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ファブリツィオ・サンタフェ―デの「Tibithaを蘇生させる聖ピエトロ」(1611)


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床の中心にある模様


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ジョヴァン・ヴィンチェンツォ・フォルリの「善きサマリア人」(1607‐08)


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ファブリツィオ・サンタフェ―デの「マルタとマリアの家のキリスト」(1612)


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ジョヴァン・ベルナルド・アッゾリーノの「奴隷を開放する聖パオリーノ」(1626‐30)

祭壇画がもう1点ある筈ですが、ありませんでした。


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その作品がこれです。
ルーカ・ジョルダーノの「キリストと姦通女」
これと同じ作品がオークションに出品されていましたが、この教会にあったものでしょうか?
(作品画像は外部サイトから拝借しました)


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画廊の間越しから見えたカラヴァッジョの作品です。この時、ミサ中でした。


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(つづく)

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