ヴィチェンツァは単独の司教区となっており。その司教座が置かれているCattedrale di Santa Maria Annunciataです。
多色の大理石を使った、ゴシック様式の美しいファサードが特徴です。
しかし、現在のファサードはオリジナルのものではありません。第二次世界大戦の爆撃によってオリジナルのファサードは殆ど崩落してしまったので、現在、見ることが出来るファサードの大部分は戦後に造り直されたものです。
この地に、古代ローマの建物がありましたが、その建物内に3世紀頃、小さな初期キリスト教会が設けられましたが、それが前身とされてます。その後、数回建て直されました。ロレンツォ・ダ・ボローニャの設計によって、1482年に創建され、1560年代に完成したゴシック様式の建物が現在の姿の原型となってます。
クーポラ、後陣、身廊側出入口は、アンドレア・パッラーディオの設計によるルネサンス様式となってます。
パッラーディオが設計した出入口
後陣
鐘楼は後陣の向かいにあります。
ゴシック様式の鐘楼は二代前の建物の鐘楼として10世紀に建てられ、12世紀に現在の高さまで高くされました。現在のドゥオーモの中で、クリプタに次いで二番目に古いものです。
ファサード側の出入り口から中に入りました。
単廊式、ゴシック様式の広く大きな空間を持つ内部です。
左右の側壁に礼拝堂が設けられてます。
右側壁
簡素な装飾の天井
床の模様
礼拝堂を見て回りました。
アレッサンドロ・マガンツァの「聖母被昇天」
アレッサンドロ・マガンツァの「死せるキリストとマグダラのマリアと聖フランチェスコ」
入り口近くにある磔刑像(詳細不明)
17世紀の無名画家の「パドヴァの聖アントニオ」
バルトロメオ・モンターニャの「玉座の聖母子とマグダラのマリアと聖ルチア」
詳細不明のフレスコ画
次の礼拝堂です。
アントニーノ・ダ・ヴェネツィアの「聖母戴冠」(1448)
木製彫刻に彩色した作品です。
誰の墓でしょうか?
次の礼拝堂です。
祭壇にタベルナコロが置かれてます。
ジャンマッテオ・アーゾラと弟子のレオーネ・レオーニによって描かれた作品です。
全部で5点の作品があり、テーマはキリストの受難です。
2人で一緒に描いた作品はありません。それぞれ師匠と弟子単独で描かれましたが、作品帰属は明確になってません。
17世紀の無名画家の作品
この奥にも礼拝堂があります。
詳細不明
クリプタに入りました。
12世紀初頭から13世紀後半に建てられた三代目の教会がクリプタの原型です。
祭壇の彫刻(14世紀)
ジャンマッテオ・アーゾラとレオーネ・レオーニの作品
ニコラ・ヴィチェンティーノの作品(1563‐65)
20世紀に描かれた「ピエタ」(制作者不明)
内陣に戻ります。
中央礼拝堂
後陣に祭壇画が10点以上あるのですが、後陣は立ち入り禁止なので見ることが出来ませんでした。
ルッフィーノ・ディ・アッシジやジュリオ・ロマーノなどの作品があるようです。
次の礼拝堂です。
ジャンバッティスタ・ピットーニの「玉座の聖母子とトレンティーノの聖二コラとバーリの聖二コラ」(1744)
17世紀の無名画家の「受胎告知される聖母」
詳細不明
ロレンツォ・ヴェネツィアーノの「聖母の死の多翼祭壇画」(1366)
ロレンツォの最高傑作と言われてます。
数年前に修復されたばかりです。
逆光のためよく見えません。
裾絵の聖人たち
今の建物の前の建物の主祭壇に置かれていたそうです。
フランチェスコ・マッフェイの「マギの礼拝」
アレッサンドロ・マガンツァの「羊飼いの礼拝」
詳細不明
古いフレスコ画が残ってます。
詳細不明
現代に描かれた「受胎告知」
(おわり)
コメント
コメント一覧 (2)
これから行く教会でも、解説を参考にさせていただきます。Grazie.
コメントありがとうございます。
> 素晴らしいサイトですね。ヴィチェンツアの大聖堂の絵画をこんなに詳しく・・・ありがとうございます。おかげさまで心豊かな旅行ができました。
そのように仰って頂き、今後の励みになります。
お役に立てたのであれば望外の喜びです。
> これから行く教会でも、解説を参考にさせていただきます。
宜しくお願い致します。
ヴィチェンツァに最後に行ったのは、2019年4月でした。「ヴィチェンツァ再び」ということでヴィチェンツァを再度取り上げようと思いましたが、同じようなことばかり書くのは芸がないと考えるようになり、断念しました。
ドゥオーモで買い求めた冊子にドゥオーモの祭壇画などの作品帰属等が載ってます。