突き当りが市立美術館です。
ベルガモからペーザロにかけて活動した商人モスカ家の邸宅として16世紀半ばに建てられたPalazzo Moscaです。
このPalazzoに市立美術館が置かれるようになったのは1936年からです。
先ず中庭に出ます。切符は入口の先で買うことになります。
展示作品数は多くありませんが、ジョヴァンニ・ベッリーニの大祭壇画を筆頭に傑作、秀作を展示しています。
展示室は階上2階にあります。
階段踊り場にあるフェッルッチョ・メンガローニ(ペーザロ、1875‐モンツァ、1925)の「メドゥーサ」
フェッルッチョ・メンガローニの「マッセンツィオの戦い」
セラミックで出来てます。
ジョヴァンニ・ベッリーニ(ヴェネツィア、1438/1440-1516)の「聖母戴冠の祭壇画」(1475c)
ペーザロのサン・フランチェスコ教会にあったもので、大作です。
頭頂部の欠落した部分が目につきます。
オリジナルの形はこうなってます。
頭頂部の欠落部「十字架降下」はヴァティカン絵画館にあるのです。
ペーザロ市側からヴァティカンにこの部分の返還要求を何度もしてますが、実現してません。
この時(2016年6月)、「十字架降下」はフォルリで開催されていたピエロ・デッラ・フランチェスカ展に貸し出されていたので、ヴァティカンではなく、思いがけずフォルリで見ることが出来ました。
向かって左の聖人たち
向かって右の聖人たち
裾絵
マルコ・ゾッポに帰属するか、またはジョヴァンニ・ベッリーニに帰属する「斬首された洗礼者聖ジョヴァンニの首」(1465‐71c)
マルコ・ゾッポ(チェント、1433‐ヴェネツィア、1478)の「死せるキリスト支える2天使」(1471)
アルヴィーゼ・ヴィヴァリーニ(ヴェネツィア、1445/1446-1503/1505)の「磔刑」(1470‐75)
ジョヴァンニ・ベッリーニの「永遠なる父」(1500‐05)
ジョヴァンニ・マンスエーティ(ヴェネツィア、1485c-1526/1527活動)の「聖母子と聖フランチェスコと聖ジローラモと聖キアーラと修道女」
ジョヴァンニ・フランチェスコ・ダ・リミニ(リミニ、1415/1420-ボローニャ、1470)の「二天使からパンを受け取る聖ドメニコと修道士たち」(1459)
ボローニャの無名画家の「チェラーノの騎士の死」(1475‐80)
ボローニャの無名画家の「聖痕を受ける聖フランチェスコ」(1470c)
クリストフォロ・ディ・ヤコポ(ボローニャ、1363‐1410記録)の「新約聖書の場面」(1375‐80)
上の写真の下にある作品です。
「井戸のサマリア女」
「キリストのエルサレム入城」
「園の祈り」
「リンボの降下」
「聖霊降臨」
「聖パオロの回心」
ヴィターレ・ダ・ボローニャ(ボローニャ、1330‐1361記録)の「玉座の聖アンブロージョ」(1350‐53)
ミケーレ・ディ・マッテオ(ボローニャ、1410‐1469記録)の「聖母の夢」(1440c)
ミケーレ・ディ・マッテオの「聖バルトロメオとエラクリート皇帝」(1440‐60c)
ヤコベッロ・デル・フィオーレ(ヴェネツィア、1380c‐1439c)の「ベアータ・ミケリーナと6聖人」(1410c)
ベアータ・ミケリーナ
聖ジローラモ、聖ジャコモ・マッジョーレ、聖ピエトロ
聖パオロ、聖アントニオ・アバーテ、バーリの聖二コラ
(つづく)
コメント
コメント一覧 (2)
毎日の更新を楽しんでます。
ジョヴァンニ・ベッリーニの「ペーザロの祭壇画」の「ピエタ」部分がバチカン所有になった理由をご存知ならば教えてください。
「ピエタ」を祭壇画トップへの挿入は、ジョヴァンニ・ベッリーニの意図ではなく、彼の意を汲んで18世紀に聖ジローラモに差し替えられたと何処かで読んだ記憶があります。
差し替えられた「聖ジローラモ」の作品がベッリーニのものか、他の画家の作品だったのか、そもそも、その「聖ジローラモ」が現在どこにあるか等々、分からないみたいです。
ナポレオン時代に、祭壇画があったサン・フランチェスコ教会はナポレオンの教会令によって閉鎖され、不必要となったペーザロの祭壇画はパリに移された。ここまでは事実ですが、その後の詳細が分からない。
何時もコメントを頂戴し、有り難く御礼します。
Web Gallery of Artのジョヴァンニ・ベッリーニのペーザロの祭壇画に纏わる記事で、その辺について簡単に触れられてますが、残念ながら、それ以上のことは存じ上げません。
バチカンは、システィーナ礼拝堂などのフレスコ画を除けば、ジョットの多翼祭壇画などの傑作を保有しているものの、他に目ぼしい作品がないので、カラヴァッジョやジョヴァンニ・ベッリーニの作品などで無理をしたのでしょう。
1527年のローマ劫掠で、それ以前の貴重な文化遺産を失ったのが、その無理の背景と思います。