ローマのドーリア・パンフィーリ美術館を取り上げます。
同美術館は随分前から写真OK(切符売り場で写真撮影券を買う必要がありました)でしたが、作品写真があるにも拘らずアップするのを止めていたのには訳があります。
作品紹介する以上、制作者名と作品の画題を明示するのは必須ですが、これが簡単ではないのです。
ローマ観光の中心であるヴェネツィア広場です。
広場からコルソ通りに入ります。
広場からコルソ通りに入って直ぐのところに美術館があります。
ドーリア・パンフィーリ宮殿です。Palazzoを宮殿と訳すのは時によって適当ではないと思いますが、日本のガイドブックでは通常「宮殿」としているので、それを踏襲することにします。
15世紀に建てられた小さなパラッツォがこの地にありましたが、16世紀にデラ・ローヴェレ家が買い取り、さらに17世紀にアルドブランディーニの所有となりました。
それとは別に、ドーリア家、パンフィーリ家、ランディ家、アルドブランディーニ家四家の結婚が16世紀に相次ぎ、17世紀に4家が合体してドーリア・パンフィーリ家となりました。
17世紀にカルロ・マデルノの設計によってPalazzoの改築拡大が始められ、カルロの死後、建築家ガブリエーレ・ヴァルヴァッソーリ、次いでアントニオ・デル・グランデに引き継がれ、18世紀に完成した建物が現在の姿となってます。
正式には、ドーリア・パンフィーリ・ランディ宮殿と言い、現在も同家が所有し、同家の家族が居住しています。
4家が収集する美術館を一般公開するようになったのは1651年のことだそうです。従って、もう350年以上の歴史があることになります。
中庭です。
以前はドーリア・パンフィーリ・ランディ家のプライベート部分の一部も公開されていたと思いますが、現在は中止となっているようです。
中庭にあるオレンジの木
切符売り場
この美術館は私立なので、ローマ・カードの対象外です。また、毎週月曜日は開館しており、毎週火曜日が休館となってます。
廊下を通って展示室に向かいます。
廊下にある、ドーリア・パンフィーリ・ランディ家の紋章です。
展示室に向かう入り口です。
入口の左右に置かれた彫刻
詳細不明
ローマ皇帝?おそらく複製品と思います。
調べれば、具体的に誰の彫像なのか分かると思いますが、調べる気がしません。
おおっ! これがここにあるとは!!!!
ある筈がありませんね。
レオナルド・ダ・ヴィンチ作「チェチリア・ガルレラーニの肖像」のコピー画でしょうね。制作者は不明です。チェチリアはイル・モーロの愛妾です。レオナルドの恋人説もありますが、レオナルドは同性愛者だった可能性が高いので、その説は疑問でしょうね。
展示室は2階にあります。
最初の展示室Poussinの間の前にロビーがあり、そこにも彫刻が数点置かれてます。
ロビーのローマ皇帝像
ロビー横にトイレがあります。
傘立てもあります。
最初の展示室です。
Poussinの間です。
鑑賞するのが大変です。それに、画家や画題について、ある程度の知識が必要かも知れません。
また、ご覧のように、上下3段に作品が並んでいるので、最上段の作品の写真を撮るのが大変です。そのため、この美術館に限っては展示作品全点の紹介は無理なのです。
部屋の天井の装飾
最初の作品です。
作品の紹介ですが、ご覧のように上記作品の下に小さなものがあるだけです。
これと作品を見ただけで、制作者名や画題などが分かる、そのような人たち向けの美術館なのです。
分からない人はどうすればよいか? ブックショップで展示作品リストの本を買い、それを参照しながら鑑賞するよりありません。
しかし、作品リストの本を対照しながら鑑賞するのは容易ではありませんし、実用的ではありません。
更に困ることは、作品の下の載っている制作者名が間違っていることが多々あることです。必ず信用してよいのは、所蔵作品番号だけです。
69番は当美術館所蔵作品の69番目という意味で、展示作品リストの69番を見れば詳細が分かるのです。
Herman van Swanevelt (Woerden,1628c-Roma, 1629)の「アドニスのレイプ」
マステッレッタ(ボローニャ、1575‐1655)の「モーゼの発見」
音声ガイドを借りるのも良いと思いますが、日本語はなかったと思います。
Gaspard Dughet (Roma,1615-1675) (ガスパール・デュケ)の「森の風景」
ピエル・フランチェスコ・モーラの「聖ブルーノ」
Gaspard Doughetの「滝の風景」
Gaspard Doughetの「ルカーノ橋の風景」
Jan Baptist Weenix (Amsterdam, 1621- Huyster Mey, 1660/1661) とパスクゥアール・キエーザ(ジェノヴァとローマで17世紀活動)の「旅人がいる風景」
Jan Baptist Weenix とパスクゥアール・キエーザの「エマオへの旅の風景」
Jan Baptist Weenix とパスクゥアール・キエーザの「旅人がいる海の風景」
Jan Baptist Weenix とパスクゥアール・キエーザの「善きサマリア人がいる風景」
Gaspard Doughetの「小さな谷がある風景」
チッチョ・ナポリターノ(カプア、1626c‐ローマ、1720)の「漁をする人々」
Gaspard Doughetの「滝の風景」
チッチョ・ナポリターノの「川の風景」
Gaspard Doughetの「城と湖の風景」
Gaspard Doughetの「木と滝の風景」
チッチョ・ナポリターノの「待ち伏せ」
最上段の作品を見たり、写真を撮るのが大変です。
マステッレッタの「ダヴィデの勝利」
Herman van Swanevelt (Woerden, 1603c- Parigi, 1655) の「アドニスの誕生」
(つづく)
同美術館は随分前から写真OK(切符売り場で写真撮影券を買う必要がありました)でしたが、作品写真があるにも拘らずアップするのを止めていたのには訳があります。
作品紹介する以上、制作者名と作品の画題を明示するのは必須ですが、これが簡単ではないのです。
ローマ観光の中心であるヴェネツィア広場です。
広場からコルソ通りに入ります。
広場からコルソ通りに入って直ぐのところに美術館があります。
ドーリア・パンフィーリ宮殿です。Palazzoを宮殿と訳すのは時によって適当ではないと思いますが、日本のガイドブックでは通常「宮殿」としているので、それを踏襲することにします。
15世紀に建てられた小さなパラッツォがこの地にありましたが、16世紀にデラ・ローヴェレ家が買い取り、さらに17世紀にアルドブランディーニの所有となりました。
それとは別に、ドーリア家、パンフィーリ家、ランディ家、アルドブランディーニ家四家の結婚が16世紀に相次ぎ、17世紀に4家が合体してドーリア・パンフィーリ家となりました。
17世紀にカルロ・マデルノの設計によってPalazzoの改築拡大が始められ、カルロの死後、建築家ガブリエーレ・ヴァルヴァッソーリ、次いでアントニオ・デル・グランデに引き継がれ、18世紀に完成した建物が現在の姿となってます。
正式には、ドーリア・パンフィーリ・ランディ宮殿と言い、現在も同家が所有し、同家の家族が居住しています。
4家が収集する美術館を一般公開するようになったのは1651年のことだそうです。従って、もう350年以上の歴史があることになります。
中庭です。
以前はドーリア・パンフィーリ・ランディ家のプライベート部分の一部も公開されていたと思いますが、現在は中止となっているようです。
中庭にあるオレンジの木
切符売り場
この美術館は私立なので、ローマ・カードの対象外です。また、毎週月曜日は開館しており、毎週火曜日が休館となってます。
廊下を通って展示室に向かいます。
廊下にある、ドーリア・パンフィーリ・ランディ家の紋章です。
展示室に向かう入り口です。
入口の左右に置かれた彫刻
詳細不明
ローマ皇帝?おそらく複製品と思います。
調べれば、具体的に誰の彫像なのか分かると思いますが、調べる気がしません。
おおっ! これがここにあるとは!!!!
ある筈がありませんね。
レオナルド・ダ・ヴィンチ作「チェチリア・ガルレラーニの肖像」のコピー画でしょうね。制作者は不明です。チェチリアはイル・モーロの愛妾です。レオナルドの恋人説もありますが、レオナルドは同性愛者だった可能性が高いので、その説は疑問でしょうね。
展示室は2階にあります。
最初の展示室Poussinの間の前にロビーがあり、そこにも彫刻が数点置かれてます。
ロビーのローマ皇帝像
ロビー横にトイレがあります。
傘立てもあります。
最初の展示室です。
Poussinの間です。
鑑賞するのが大変です。それに、画家や画題について、ある程度の知識が必要かも知れません。
また、ご覧のように、上下3段に作品が並んでいるので、最上段の作品の写真を撮るのが大変です。そのため、この美術館に限っては展示作品全点の紹介は無理なのです。
部屋の天井の装飾
最初の作品です。
作品の紹介ですが、ご覧のように上記作品の下に小さなものがあるだけです。
これと作品を見ただけで、制作者名や画題などが分かる、そのような人たち向けの美術館なのです。
分からない人はどうすればよいか? ブックショップで展示作品リストの本を買い、それを参照しながら鑑賞するよりありません。
しかし、作品リストの本を対照しながら鑑賞するのは容易ではありませんし、実用的ではありません。
更に困ることは、作品の下の載っている制作者名が間違っていることが多々あることです。必ず信用してよいのは、所蔵作品番号だけです。
69番は当美術館所蔵作品の69番目という意味で、展示作品リストの69番を見れば詳細が分かるのです。
Herman van Swanevelt (Woerden,1628c-Roma, 1629)の「アドニスのレイプ」
マステッレッタ(ボローニャ、1575‐1655)の「モーゼの発見」
音声ガイドを借りるのも良いと思いますが、日本語はなかったと思います。
Gaspard Dughet (Roma,1615-1675) (ガスパール・デュケ)の「森の風景」
ピエル・フランチェスコ・モーラの「聖ブルーノ」
Gaspard Doughetの「滝の風景」
Gaspard Doughetの「ルカーノ橋の風景」
Jan Baptist Weenix (Amsterdam, 1621- Huyster Mey, 1660/1661) とパスクゥアール・キエーザ(ジェノヴァとローマで17世紀活動)の「旅人がいる風景」
Jan Baptist Weenix とパスクゥアール・キエーザの「エマオへの旅の風景」
Jan Baptist Weenix とパスクゥアール・キエーザの「旅人がいる海の風景」
Jan Baptist Weenix とパスクゥアール・キエーザの「善きサマリア人がいる風景」
Gaspard Doughetの「小さな谷がある風景」
チッチョ・ナポリターノ(カプア、1626c‐ローマ、1720)の「漁をする人々」
Gaspard Doughetの「滝の風景」
チッチョ・ナポリターノの「川の風景」
Gaspard Doughetの「城と湖の風景」
Gaspard Doughetの「木と滝の風景」
チッチョ・ナポリターノの「待ち伏せ」
最上段の作品を見たり、写真を撮るのが大変です。
マステッレッタの「ダヴィデの勝利」
Herman van Swanevelt (Woerden, 1603c- Parigi, 1655) の「アドニスの誕生」
(つづく)
コメント
コメント一覧 (2)
毎日の更新を楽しみしてます。
カターニアの続きだろうとクリックしたら、予想外のドーリア・パンフィーリ美術館でした。こちらの方がカターニアよりも楽しみが多い。
確保されている展示スペースが作品で埋め尽くされ、それも無作為に適当に展示されているので、鑑賞に気疲れします。
玉石混交なので、鑑賞側に技量が問われる美術館です。
有名画家の複製画を本物と誤解して見ている入館者をよく見かけます。
写真と制作者名、題名を明示して頂ける、ご労苦に頭が下がります。
コメント、有難うございます。
ご指摘の通りで、展示スペースに比べて、展示作品が多過ぎで詰め込んでいるので見易いとは言えません。上下3点か4点の作品が展示されてますが、見難い最上段に傑作があったりして、入館者の便宜を殆ど考えていないようです。
Daと書かれているにも拘らず、コピー画と理解していない人が散見されますね。