この2年ほど行われていた展示室の改装と展示作品の見直しが漸く終わりました。恐らく現在の展示が暫く継続されると思います。
と言うことで、展示作品紹介の決定版と言うべきものを2017年10月時点で纏めてみました。
ブレラ絵画館のような大美術館では、展示作品の見直しは必要に応じて適宜行うとの方針なので、決定版と言うべきものは存在しないと思います。
2009年に同美術館のブックショップで買い求めた展示作品リストが最早役に立たなくなったことは確かです。
改装完成後に入館するのは、2017年10月が初めてでした。
作品鑑賞と写真を撮ることは両立しないので、旅の前半と後半で合わせて3回入館しました。展示作品数が膨大、しかも傑作が多いので、時間が必要です。
1-A 室は団体客で一杯でした。
団体客が去ったので礼拝堂に入りました。
以前、この礼拝堂のフレスコ画はMaestro di Moccitoloとされていましたが、ジョヴァンニ・ダ・ミラノに変わっていたので驚きました。
パラッツォ・ブレラに元々あった礼拝堂ではありません。
モンツァ郊外のLentate Sul SevesoにあるOratorio di Porto Moncchiroloのフレスコ画を剥がして、ここに移設したものです。
廊下が第1室です。
廊下の壁に展示されている剥離フレスコ画が大幅に変わりました。以前はベルナルディーノ・ルイーノの作品が展示の中心でした。
アルトベッロ・メローネ(クレモナ、1491c‐1543)の「羊飼いの礼拝」(1519‐20)
ベルナルディーノ・カンピ(レッジョ・エミリア、1520‐1591)の「大衆に説教するキリスト」(1579‐80)
シモーネ・ダ・コルベッタ(ロンバルディアで14世紀末に活動)の「聖母子とアレッサンドリアの聖カテリーナと聖オルソーラと聖ジョルジョと寄進者」(1382)
ベルゴニョーネ(フォッサーノ、1450c‐ミラノ、1523)の「聖母子と天使たち」(1488‐94c)
ベルナルディーノ・ルイーニ(ドゥメンツァ?、1482c‐ミラノ?、1532)の「ドリオーペとテヴァイアーノ」(1513‐14c)
改装され一新した展示室です。
第2室
アンブロージョ・ロレンツェッティ(シエナ、1290c‐1348)の「聖母子」(1320‐23)
小作品が3つ並んでます。
ジョヴァンニ・バロンツィオ(リミニ、1343c‐1364)の「聖コロンバの物語」(1345‐50c)
ジョヴァンニ・ダ・ミラノ(カヴァルサッチョ、1346c‐フィレンツェ、1369c)の「玉座の祈るキリスト」(1360‐65)
ベルナルド・ダッディ(フィレンツェ、1290c‐1348)の「聖ロレンツォ」(1340c)
Maestro di San Verano (ピサ、13世紀第3四半世紀活動)の「聖ヴェラーノとその物語」(13世紀後半)
次も新装された部屋です。
第3室
バルナーバ・ダ・モデナ(モデナで14世紀後半活動)の「羊飼いの礼拝」(1370年代末)
ジョヴァンニ・ダ・ボローニャの「聖母子」(1370‐77)
Maestro del Crocifisso di Pesaro (ヴェネツィアで14世紀末活動)の「聖母子」(1390c)
ロレンツォ・ヴェネツィアーノ(ヴェネツィア、1356‐1372c)の「多翼祭壇画」(1371c)
中央パネル
上段は聖アントニオ・アバーテ、洗礼者聖ジョヴァンニ
下段はアレッサンドリアの聖カテリーナ、聖二コラ
上段は聖アンドレア、聖ヴィットーレ
下段は聖マルコ、聖ルチア
14世紀のモデナの無名画家の「マギの礼拝」
アンドレア・ディ・バルトロ(シエナ、1360/1365-1428)とジョルジョ・ディ・アンドレア(1410-1428c活動記録)の「聖母戴冠の多翼祭壇画」(1390cと1415c)
祈るキリスト
聖母戴冠
アレッサンドリアの聖カテリーナ、聖パオロ
聖ピエトロ、多分聖アゴスティーノ
ここも新装された部屋です。
第4室
アントニオ・ヴィヴァリーニ(ムラーノ、1420c‐ヴェネツィア、1483)とジョヴァンニ・ディ・アレマーニャ(ドイツ、1411‐パドヴァ、1450)の「プラーリアの多翼祭壇画」(1448c)
ステファノ・ダ・ヴェローナ(ヴェローナ、1375c‐1438以降没)の「マギの礼拝」(1435c)
ニコロ・ディ・ピエトロ(ヴェネツィア、1394c‐1430c)の「聖母戴冠」(1400c)
ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ(ファブリアーノ、1375c‐ローマ、1427)の「磔刑」(1408c)
ヤコポ・ベッリーニ(ヴェネツィア、1396‐1470)の「聖母子」(1448)
ペレ・セッラ(1357‐1408/1409)の「受胎告知」
マエストロ・ジョルジョの「聖マルコ」(1454)
(つづく)
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