ルネサンス期彫刻の傑作が並ぶバルジェッロ国立美術館 Museo Nazionale del Bargelloです。
13世紀中頃に建設されたバルジェッロ宮です。この建物に美術館がオープンしたのは1865年で、美術館として150年以上の歴史があります。2016年の年間入館者は213,598人でした。傑作を数多く展示してますが、その割には若干人気がないように思います。
展示作品の変更はあまり行われていないと思いますが、今回掲載する作品写真は2017年10月に撮ったものです。
バルジェッロという言葉は「城」とか「要塞の塔」の他に街の治安維持を担う司法長官という意味だそうですが、その名の通り、1859年までフィレンツェの警察本部がこの建物に置かれ、その一部は監獄として使用されてきました。
この中庭で罪人の処刑が行われていたそうです。
中庭を囲んでロッジャが設けられてます。
ロッジャに彫刻が展示されてます。
レオナルド・リッコマンニ・ダ・サルザーナ(15世紀に活動)の「ジェノヴァの紳士像」(1460c)
ロッジャの壁面は様々な紋章や名板などで飾られてます。
ベネデット・ダ・マイアーノ(ミラノ、1442‐フィレンツェ、1497)の「アラゴーナのフェルディナンド1世の戴冠と6人の音楽師」(1490c)
6人の音楽師の一部である3人の彫刻です。
ニッコロ・ディ・ピエトロ・ランベルティ(フィレンツェ、1370c‐1425c)の「福音書記者聖ルーカ」(1403‐06)
ドメニコ・ピエラッティ(フィレンツェ、1600‐ローマ、1656)の「洗礼者聖ジョヴァンニ」(1620c)
詳細不明
バルトロメオ・アンマナーティ(セッティニャーノ、1511‐フィレンツェ、1592)の「ジュノーネとクジャク2匹」(1556‐61)
ロッジャに置かれていても駄作凡作ではありません。
風格があります。
バルトロメオ・アンマナーティの「大広間のフォンターナ」(1556‐61)
乳首から水が出てくるのはフォンターナの定番です。
詳細不明
詳細不明
ヴィンチェンツォ・ダンティ(ペルージャ、1530‐1576)の「Apollo Pitio」(1560c)
ジャンボローニャ(フランス・ドゥエ―、1529c‐フィレンツェ、1608)の「オーケアノス」(1572‐76)
絵画は作品を一目見ただけで制作者が分かる画家がかなりいますが、彫刻は一目見ただけで制作者が分かる作品が殆どありません。
ヴィンチェンツォ・ジェーミト(ナポリ、1852‐1929)の「漁師の少年」(ブロンズ)(1874‐76)
フランチェスコ・カミッリアーニ(フィレンツェ、1530‐1576)の「川の神たち」(1560c)
ドメニコ・ポッジーニ(フィレンツェ、1520‐ローマ、1590)の「Legge Nuova」(1579)
ヴィンチェンツォ・ダンティの「コジモ・ディ・メディチ」
コジモにはとても見えませんが・・・・・
詳細不明
詳細不明
0階(日本の1階)の展示室内に入りました。
私の記憶違いかも知れませんが、昔は入館予約制だった気がします。
ジョヴァン・フランチェスコ・ルスティチ(フィレンツェ、1474‐フランス・トゥール、1554)の「聖母子と聖ジョヴァンニーノ」(1509)
ヤコポ・タッティー通称イル・サンソヴィーノ(フィレンツェ、1486‐ヴェネツィア、1570)の「バッカス」(1511‐12)
アンドレア・サンソヴィーノ(モンテ・サン・サヴィーノ、1467c‐1529)の「聖母子」(テラコッタ)(16世紀初め)
ジョヴァン・フランチェスコ・ルスティチの「戦車に乗るネプチューン」(ブロンズ)(1510c)
ジョヴァン・フランチェスコ・ルスティチの「騎兵たちの白兵戦」(1505c)
レオナルド・ダ・ヴィンチの「アンギアーリの戦い」から制作されたそうです。
必見のミケランジェロの作品です。
惜しいことに未完です。
イル・サンソヴィーノの作品
ニッコロ・ペリコーリ通称イル・トリボーロ(フィレンツェ、1457c‐1550)の「Il Giorno」(テラコッタ)(1534‐37)
ニッコロ・ペリコーリ通称イル・トリボーロの「Il Crepuscolo」(テラコッタ)(1534‐37)
ニッコロ・ペリコーリ通称イル・トリボーロの「L'Aurona」(テラコッタ)(1534‐37)
(つづく)
コメント
コメント一覧 (2)
(上の書き込みで美術館名を間違えました。消していただければ幸いです)
先日まで綴られていたアカデミア美術館はダヴィデ以外にちゃんと見たことがなく、記事を拝見して、フィレンツェにはまた行くだろうから、今度はしっかり見なくては、と反省しました。
そして、今日からはバルジェッロ美術館。こちらも私は何度か行ったことがありますが、ただなんとなく作品を見ていただけで、アカデミアに続き、勉強させていただきたいと思います。
ところで、この美術館の予約制についてですが、何度か訪れていますが、予約をしたことはありません。シニョレッリさんのおっしゃる「昔」がいつごろかわかりませんが、私の訪問したのは大体20年くらい前のことです。
あの頃は、フィレンツェの美術館はウッフィッツィをのぞけば並ぶということがなかったように思います。数年前にフィレンツェに行って、教会でも荷物チェックなどがあって、驚きました。ただ、入場料をとるのは美術品を守るためには必要だと理解しております。
いまは田舎や小さめのまちをめぐるのが楽しいのですが、きっとフィレンツェに戻りたくなる日がきっと来ると思っています。そのときはできればホテルでなく、アパートを少し長く借りて、住むように暮らしたいと思っています。
では
コメント、有難うございます。
インターネットが未発達だった時代、1990年以前だったと思いますが、フィレンツェ・ムゼイ予約センターに電話して予約することになってました。
バルジェッロは予約しないで行っても楽々入館出来ていないので、予約しないで行ったら、今日は予約なしでは入館できないと言われたことがありました。
サン・サルヴィ旧修道院のアンドレア・デル・サルトの最後の晩餐美術館は、予約必須だった時代がありました。今では考えられません。
大混雑のウフィッツィ美術館ですが、本当の美術好きに楽しんでもらいたいとの趣旨で、今年3月から€20に値上げされました。
有名作品だけをざっと見て、後は興味なしの人はご遠慮して欲しいということですが、€20程度では効果が出ていないようで、3月に行った時は相変わらずの混雑でした。
せめて€50、出来れば€100に値上げして、そのような人たちを排除して欲しいと切に願ってます。
少し前までは田舎や小さめの街が好きでしたが、芸術作品の質は兎も角、数が少ないので、今では敬遠気味です。芸術作品の質と数に於いて、フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィア、ミラノの4都市を凌駕する街はありませんから。