ヴェローナ旧市街の北東方向の町外れです。鐘楼が見えてますが、サン・ゼーノ・マッジョーレ聖堂のものです。
サン・プロコーロ教会(写真右)の先は、サン・ゼーノ広場です。
サン・ゼーノ広場に面して建つサン・フェルモ・マッジョーレ聖堂です。
シェイクスピアの「ジュリエッタとロメオ」の結婚の場だったということで、観光客に比較的人気が高い教会です。
第8代ヴェローナ司教でヴェローナの守護聖人聖ゼーノ(モーリタニア、300c‐ヴェローナ、372)(ヴェローナ司教在任362年‐372年)の死後に、現在の聖堂が建ってる場所に、4世紀後半に聖ゼーノの墓と聖ゼーノを奉る小さな教会が建てられましたが、それが前身とされてます。聖ゼーノは黒人だったという説が有力のようです。
最初の建物は9世紀に破壊されたので、ピピン王と当時の司教によって二代目の建物が建てられましたが、10世紀初めにハンガリー人によって、二代目の建物も破壊されてしまいました。
967年、ドイツ皇帝オットー1世の資金援助によって3代目の建物が建てられましたが、ヴェローナを襲った1117年1月3日の大地震によって倒壊したので、修復と拡張工事が行われ、1138年に一応の完成を見ました。
その後、ゴシック様式の屋根と後陣が再建され、1398年に完成しましたが、その完成後の建物が現在の姿となってます。
1973年、教皇パオロ6世によってBasilica Minoreに格付けされました。
高さ62mの鐘楼は、1045年に創建され、1178年に完成しました。
ファサード左に建っているのは、旧サン・ゼーノ修道院の塔です。
要塞のような堅固な造りの塔です。
ファサードを見ます。
彫刻家ブリオロート Brioloto(1189-1220存在確認)作とされる「運命の車輪」(12世紀末)と呼ばれるバラ窓です。
柱廊扉上ルネッタ上の浮彫「悪を踏む聖ゼーノとヴェローナ貴族と市民」(12世紀)
グリエルモ派彫刻家による浮彫でしょうか?
入口扉左の彫刻は、グリエルモ・ダ・モデナ(モデナ、1099‐1120活動)の「キリストの物語」
傑作です。
入口扉右側の彫刻は、ニッコロ(1122‐1139活動)の「創世記」と「テオドリック王の狩り」です。
右側も素晴らしい傑作です。
ファサードの右側
入口扉前の左右にライオン像があります。こちらは左側のライオン像です。
右側のライオン像
聖母子のフレスコ画
聖堂内に入るには一旦キオストロ回廊に出ます。
通常、ファサード側の扉が閉まっています。
修道院の中庭を囲んで、修道院と聖堂を繋いでます。
修道院は9世紀に建設されましたが、地震やアディジェ川の洪水などの天災、経年劣化のため、修復、拡張、再建を繰り返しました。
修道院は、ナポレオンによって18世紀末にその活動が停止されました。
回廊の壁にフレスコ画が描かれていましたが、一時期、殆ど残っていない状態でした。
ところが1980年から行われた修復の際に、フレスコ画が発見されたのです。
フレスコ画は12世紀から15世紀に制作されたそうです。
回廊から見た聖堂
キオストロ回廊から聖堂内に向かいました。
(つづく)
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