FS線下を走るレジーナ・テオドリンダ通りに面して聖堂があります。
サンタッボンディオ聖堂です。
コモの3代目司教聖アマンツィオ(イギリス・カンタベリー、4世紀後半‐コモ、450)は、ローマに旅を行い、聖ピエトロと聖パオロの聖遺物をコモに持ち帰り、その聖遺物を奉る教会、サンティ・ピエトロ・エ・パオロ教会をコモ城壁外の現在地に448年に建設しました。その教会が前身です。
死を前にした聖アマンツィオは、コモ司教の後継者として聖アッボンディオ(テッサロニキ、5世紀初め‐コモ、469c)を指名して、聖アッボンディオがコモの4代目司教になりました。
818年、司教座が置かれるとともに、教会は聖アッボンディオに捧げられることになり、名称がサンタッボンディオ聖堂に改称されました。
10世紀後半、城壁内に新司教座教会が建設されることになり、現在のドゥオーモの一応の完成を見た1013年、司教座はサンタッボンディオ聖堂から新ドゥオーモに移されました。
その後、聖堂はベネデット会の所有となりました。
ベネデット会は、従来の建物を取り壊し、その上に新しい建物の建設を決め、1050年創建、1095年に完成したロマネスク様式の建物が現在の姿の原形です。その後、何度も修復されましたが、元の姿をほぼ留めていると言われてます。
また、ベネデット会によって大修道院が併設されましたが、1783年に修道院としての活動が停止されたまま、、神学校の学舎に転用され、現在はインスブリア大学法学部となってます。
鐘楼が二本あるのが特徴となってます。
後陣
身廊はサンタッボンディオ通りに面してます。
身廊側にも出入り口があります。
取り壊された以前の建物の見所は、コモ市立のPinacotecaで見ることが出来ます。
ファサードの扉上ルネッタのフレスコ画は失われています。
ロマネスク様式の柱頭
聖堂内に入ります。
翼廊がない、ロマネスク様式の内部です。
左右に二本づつの側廊が設けられてます。
つまり5廊式になってます。
天井
2本の左側廊
2本の右側廊
ファサード裏に聖歌隊席があります。
聖歌隊席側壁に描かれたフレスコ画「聖母子と聖人たち」(14世紀)
聖水盤
聖水盤下の彫刻
左側壁の祭壇画から見て行きます。
ジョヴァンニ・バッティスタ・レッキ(コモ、1600c‐1648)の「聖アッボンディオの奇跡」(1620‐30c)
フレスコの断片が残されてます。
14世紀の逸名画家によって描かれたフレスコ画
後陣左のサンティッシモ・サクラメント礼拝堂です。
コモ司教の聖エウビリオの遺体
後陣左の第2礼拝堂です。
中央礼拝堂
主祭壇下の安置されている聖アッボンディオの遺体
中央礼拝堂横に置かれた彫刻
トンマーゾ・ロダーリ(マロッジャ、1460‐コモ、1525)の「聖アッボンディオ像」(1490)
(つづく)
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