サン・ドメニコ教会のファサードに出ます。
サン・ドメニコ教会です。
ロマネスク様式からゴシック様式に移行する過渡期の初期ゴシック様式の教会です。
この場所はローマ時代の住宅の遺跡がありました。
13世紀後半、ドメニコ会修道士に土地が与えられ、教会と修道院の建設が認可され、1292年に教会の建設工事が開始されました。
その後、修道院が併設されました。
しかし、教会と修道院の建物は、資金不足のため、不完全な状態のままでした。
1440年、第207代教皇エウジェニオ4世(ヴェネツィア、1383‐ローマ、1447 教皇在位:1431‐1447)が資金調達の途を開き、直ぐに建設工事が再開され、教会と修道院の建物は1474年に完成しました。
17世紀後半から18世紀初頭にかけて、修復と改造工事が行われましたが、内部の側廊の礼拝堂がバロック様式に大規模に改造されました。
1801年、ナポレオンの抑圧令によって教会修道院は閉鎖されてしまいました。
教会と修道院の建物は放置されました。修道院だった建物は、19世紀後半から20世紀初めにかけて破壊され現存しません。
教会の建物は、1930年頃から修復工事が開始されました。1975年から本格的な工事が行われるようになり、危険な箇所が撤去され、補強工事が行われるなど、閉鎖時とはかなり異なる部分があるようです。
1985年には、音楽学校の演奏会場にするために、音響増幅システムや照明設備などが導入されました。
現在、建物はアルバ市が所有しており、引き続き音楽学校の演奏会場として使用されている他、文化イベント会場になってます。
右側壁
古いフレスコ画などが内部にあります。
後陣
ファサードを見ます。
1996年から1998年にファサードの修復が行われましたが、新しく見える箇所はその際、オリジナルに似せて新造されたのです。
入口扉上ルネッタ上のフレスコ画「聖母子と聖ドメニコとシエナの聖カテリーナ」(16世紀)
フレスコ画の下の浮彫は創建時のものです。
1991年に復元されたArco Trilobo
1991年に復元された柱
15世紀の浮彫
柱頭
近年、催事が行われない日でも中に入ることが出来ようになりました。
中に入りました。
三廊式、ゴシック様式構造の内部です。
左右の側廊にある礼拝堂は17‐18世紀に改造されました。
内部はフレスコ画の宝庫です。
天井の本格的な修復は未着手です。
ベアータ・マルゲリータ・ディ・サヴォイア(フォッサーノ、1390‐カザーレ・モンフェッラート、1464)の指示によって1441年から1442年に描かれたフレスコ画
アレッサンドリアの聖カテリーナ、聖アポッロニア、聖アグネス、アンティオキアの聖マルゲリータ(1441‐42)
この部分のフレスコ画もベアータ・マルゲリータ・ディ・サヴォイア(フォッサーノ、1390‐カザーレ・モンフェッラート、1464)の指示によって1441年から1442年に制作されました。
演奏会場、催事場などに使用されているので、中央礼拝堂に祭壇がありません。
18世紀に施された後陣の装飾
ジョヴァンニ・ペロシーノ・ロンゴの「十字架降下」(1517)
18世紀に施された後陣装飾
20世紀後半に復元されたステンドグラス
赤い部分に演奏会場用の装置が付けられるようです。
シノピエ
ジョヴァンニ・トゥルコットの「聖ドメニコと聖フランチェスコの邂逅」(1470c)
15世紀末のフレスコ画
15世紀に描かれたフレスコ画
「ピエタ」(15世紀末)
(つづく)
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