先ごろ行われたジョヴァンニ・デッラ・ロッビアの彩釉テラコッタの修復作業で話題となっている、ヴォルテッラのサンタントニオ祈祷所を取り上げます。
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Via Gramsciです。もう夕暮れです。


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9月20日広場です。


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広場に面して建っているのがサンタントニオ祈祷所です。夕方の教会が開いている時間帯でしたが、残念ながら閉まってました。翌朝に期待しましょう。


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翌朝です。通りの先、写真左手に鐘楼が写ってますが、祈祷所の鐘楼です。


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良かった! 開いていました!


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11世紀と12世紀のヴォルテッラの文書に、この祈祷所の存在が記されてます。当時はこれよりも小さなタベルナコロだったとの説があります。
1450年、Viennes病院の修道士によって再建され、1470年に奉献が行われました。この二代目の建物が現在の姿になってます。


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小さいながらも幾つかの芸術作品があることで知られてます。


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拝観しました。


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単廊式のシンプルな構造の内部です。


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最近塗り直された壁ですが、再建以来、フレスコ画が描かれたことがないと言われてます。


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左右の側壁に祭壇画が掲げられてます。


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ドゥオーモの聖職者がこの祈祷所の聖職者を兼務しています。


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祭壇にある彩釉テラコッタが有名です。


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ジョヴァンニ・デッラ・ロッビアの「聖母被昇天と洗礼者聖ジョヴァンニ(ヨハネ)と聖トッマーゾと聖セバスティアーノ」(1520)
近頃行われた修復作業中にジョヴァンニの真作が確定しました。従来は、デッラ・ロッビア工房作とされていました。


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時代が異なる二人の画家によって描かれた「受胎告知」です。


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古い方の作品は「大天使ガブリエルと天使たち」の方で、その約80年後に「受胎告知を受ける聖母」が描かれ、一枚の作品に組み込まれました。古い方の作品は元々「受胎告知」で、その聖母部分が何らかの理由で傷みが激しくなり、聖母の所を新しく描かれたものに差し替えたとされてます。
コジモ・ダッディの「受胎告知する大天使」(1599)
ジュゼッペ・アッリーギ(1642‐1706)の「受胎告知される聖母」(17世紀末)


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貴重な作品です。


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プリアーモ・デッラ・クエルチェの「聖アントニオ・アバーテと聖人たち」(1442)


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バルダッサッレ・フランチェスキーニの「聖母被昇天」(1631)


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コジモ・ダッディの「キリストとヴェローニカ」(17世紀初頭)


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18世紀前半のギリシャ出身の逸名画家による「ロザリオの聖母と聖ドメニコ」


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詳細不明


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美術ファンにはお勧めの祈祷所です。


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ヴォルテッラ最大の見どころのエトルスク博物館の途中にあるので、博物館に行くついでに立ち寄るのも良いでしょう。


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(おわり)