イタリア芸術を楽しむ

イタリアの魅力を味わい尽くすには、一生に何度旅をすれば足りるだろう。芸術の宝庫にして、歴史の生きた証であるイタリア。 惹き付けて止まない絵画、彫刻、歴史的建造物、オペラなど、芸術の宝庫であるイタリアを楽しむブログです。 記事は一日に一つアップしています。記事の見方ですが、例えば「ボルゲーゼ美術館の展示作品(その4)」は2017年10月20日にアップしました。各記事にカレンダーが表示されてますが、カレンダー上の2017年10月21日をクリックして頂ければ「ボルゲーゼ美術館の展示作品(その5)」になります。(その3)は2017年10月20日となります。 BY:シニョレッリ

カテゴリ: カラヴァッジョ

P2020621
カラヴァッジョのチェントロ入口にあるローマ門です。


P2020626
直ぐに教会の鐘楼が見えてきます。


P2020636
鐘楼は、サンティ・フェルモ・エ・ルスティコ教会のものですから、鐘楼を目指していけば簡単に行くことが出来ます。


P2020641
市庁舎です。この裏手に教会があります。


256
この街の教区教会です。つまりドゥオーモです。


253
正式名は、Chiesa Arcipretale Parrocchiale dei Santi Fermo e Rustico Martiri in Caravaggio です。


P2020644
教会の歴史は古く、1000年頃に創設されたとされてますが、文書に最初に記録されたのは1196年で、二度目の記録は1218年のことでした。


P2020645
1200年頃、初代の建物を取り壊し、その上に創建されたロマネスク様式の二代目の建物が現在の姿の原形です。、15世頃に現在のロンバルディア・ゴシック様式の建物に改造されました。


P2020746
14世紀の改造の際、ファサードも現在の姿に改められました。


P2020747
ファサードに聖母子と聖フェルモと聖ルスティコの像があります。(制作者不明)


P2020748
ファサードのルネッタ上にフレスコ画は、ジョヴァンニ・バッティスタ・モリッジア(カラヴァッジョ、1796‐1876)の「聖母子と聖フェルモと聖ルスティコ」(1835)です。


255
鐘楼は、1500年に高さ71‐76mで建てられましたが、経年による劣化により、1912年から1932年に大修復されました。現在の高さは71mあります。


P2020646
三廊式、構造的にはゴシック様式ですが、17世紀にバロック様式に改修されました。


P2020647
内陣中央から見た左側廊方向です。


P2020709
左側廊


P2020710
左側廊から見た身廊中央です。


P2020648
内陣中央から見た右側廊方向です。


P2020693
右側廊


P2020695
右側廊からの眺め


P2020650
天井のフレスコ画はベルナルディーノ・カンピの作品です。
1588年、13歳になった画家カラヴァッジョは画家になるために、ミラノのシモーネ・ぺテルツィア—ノに弟子入りしますが、画家を志した切っ掛けが良く分からないとされています。しかし、この教会と聖母の聖域聖堂のフレスコ画や祭壇画などを見て刺激を受けたと想像するのが最も自然と思います。
その想像が的を得ているのか確認したかった、それが私がカラヴァッジョに来た理由です。


P2020651
17世紀に作られた主祭壇


P2020652
ジュリオ・チェーザレ・プロカッチーニの後陣のフレスコ画


P2020658
15世紀末にブラマンテ・スタイルで作られたサンティッシモ・サクラメント礼拝堂です。


P2020659
ベルナルド・カンピ派画家による「キリストの復活」(17世紀)


P2020662
ベルナルド・カンピの「最後の晩餐」(1571)


P2020664
ベルナルド・カンピの「足を洗うキリスト」(1571)


P2020667
聖母顕現の礼拝堂です。


P2020670
ジョヴァンニ・バッティスタ・モリッジアの「農婦ジャネッタの前に顕現する聖母」(1836)


P2020672
詳細不明


P2020675
説教壇


P2020677
カルロ・ブレーダの「祈る聖母と聖ベルナルディーノ」(1709‐10)


P2020696
サンティ・ロッコ・エ・セバスティアーノ礼拝堂です。


P2020699
フェルモ・ギソーニ(1505‐1575)の「聖家族と聖フランチェスコと聖セバスティアーノ」


P2020680
ロザリオの聖母の礼拝堂です。


P2020685
アンドレア・アスペールの「悔悛の聖ジローラモ」(1655)


P2020689
アンドレア・アスペールの「聖母子と聖ドメニコ」(1655)


P2020705
洗礼堂です。
コリオラーノ・マラガヴァッツォの「キリストの洗礼」(1571)


P2020712
二コラ・モレッタの「ご誕生と聖人たち」(1529)


P2020729
サンティ・ピエトロ・エ・アンドレア礼拝堂です。


P2020723
クリストフォロ・フェッラーリ・デ・ジュキスの「玉座の聖母子と聖アンドレアと聖ピエトロ」(1504)


P2020731
この教会で1点選ぶとすれば、私ならこれです。


P2020733
フランチェスコ・プラータの「十字架降下」(16世紀前半)


P2020736
次はサンタンブロージョ礼拝堂です。


P2020740
ジョヴァンニ・バッティスタ・セッコ通称イル・カラヴァッジーノ(カラヴァッジョ、1605‐1619記録)の「天上の聖母子と聖アンブロージョと聖カルロ・ボッロメオと聖ゴッタルド」


P2020742
主祭壇前から見た出入口です。


P2020743


P2020744
外に出ました。


P2020745
近くカラヴァッジョ博物館が出来るそうです。その完成後に一度来てみたいと思います。


P2020751
来た甲斐がありました。


P2020757
この街でのカラヴァッジョの痕跡らしきものを探しましたが、この建物の壁にカラヴァッジョの肖像があっただけでした。


P2020758
これです。


P2020761
(おわり)

カラヴァッジョは、人口約1万6千人のロンバルディア州ベルガモ県にあるコムーネです。画家ミケランジェロ・メリージ通称カラヴァッジョが幼少期をここで過ごし、画家自らカラヴァッジョと名乗った所縁の地です。
P2020469
カラヴァッジョ駅です。


P2020473
駅から南西方向に真っ直ぐ伸びるViale Giovanni XXIII Papaです。


P2020477
やがて、通りの先に教会の建物が見えてきます。


P2020477
聖母の聖域聖堂です。
1906年、当時の教皇ピオ10世によってBasilica Minoreに格上げされました。
ということで、Basilica Minore e Santuario di Santa Maria del Fonte presso Caravaggioが正式名称です。


P2020483
1432年5月26日、一人の若い農婦ジャネッタ・デ・ヴェッキの前に聖母マリアが顕現する奇跡が起こりました。その日以来、奇跡が起きた場所が聖母信仰の巡礼地になったのです。


P2020486
聖母が顕現した場所に泉が湧き出しますが、1432年、クレモナのボニンコントロ・デ・サッキ司教によって、泉の上に礼拝堂が建てられました。1516年には、教皇レオ10世によってサンクチュアリに指定されました。


P2020491
ところが16世紀半ばに信仰は低迷し、最初の建物は取り壊されてしまいました。
1575年、ミラノの大司教聖カルロ・ボッロメオが教会の再建を発願し、それに基づき同年に創建、17世紀初期に完成したバロック様式の二代目の建物が現在の姿になってます。


P2020576
聖母が顕現した場所に泉が湧き出し、その上に聖堂が建てられましたが、その水は地下を通って写真手前の場所で地上に顔を出します。この場所にも巡礼者が訪れます。


P2020489
クーポラ


P2020492
カラヴァッジョは静かな街ですが、聖堂は巡礼者で人出が絶えることがありません。


P2020551
ファサード


P2020552
ファサード前の柱廊


P2020494
聖堂内に入りました。


P2020493
聖堂は2つに分けられ、こちらはSacro Specoと言われている場所です。


P2020497
聖母顕現の場面があります。


P2020499
1577年、画家カラヴァッジョはペスト流行のミラノから逃れるため、一家揃ってカラヴァッジョに移住してきました。画家の叔父、従兄弟がこの教会の建設に携わった関係で、画家も当然この教会に出入りして、聖母顕現の場面を目にしたことでしょう。


P2020495
Sacro Specoの天井


P2020498
カミッロ・プロカッチーニの天井フレスコ画


P2020502
カミッロ・プロカッチーニ(1551‐1629)の「農婦と聖カルロ・ボッロメオと聖フェルモの前に顕現する聖母」


P2020507
ジョヴァンニ・ステファノ・ダネーティ通称イル・モンタルト(1599‐1690)の「農婦の前に顕現する聖母」


P2020509


P2020514
アンブロージョ・ダ・フォッサーノ通称イル・ベルゴニョーネの「キリストの埋葬」


P2020515
クーポラ


P2020518
カラヴァッジョの画家ジャコモ・カルミナーティの「聖堂建設のための会議」


P2020521
次は聖堂の本堂です。


P2020522
単廊式、バロック様式の本堂です。


P2020523
左右に礼拝堂が設けられてます。


P2020524
本堂後陣の後方にSacro Specoがあります。


P2020527
モデナの画家ジャコモ・カヴェドーニ(1577‐1660)の「十字架降下」


P2020536
制作者不詳の「グイド・レーニ作『大天使ミケーレ』のコピー画」(17世紀)


P2020532
ジョヴァンニ・バッティスタ・セッコの「聖アントニオ・アバーテ」(17世紀)


P2020540
カルロ・プレーダの「聖ルチアとパドヴァの聖アントニオの顕現する聖母子」(1710)


P2020544
ジャコモ・トレコート(1812‐1882)の「聖ピエトロと聖アンドレアの召命」


P2020549
1955年製のオルガン


P2020542
もう直ぐミサの時間です。


P2020550
外に出ました。


P2020553


P2020555
聖堂を取り囲む回廊があります。


P2020556
回廊のところどころにモザイクが置かれてます。


P2020557
「受胎告知」


P2020558
「ご訪問」


P2020559
「ご誕生」


P2020560
「教会への出現」


P2020561
「博士たちとの問答」


P2020562
「キリストの洗礼」


P2020563
20世紀後半に制作されたものですが、制作者は分かりません。


P2020564
キリストの生涯がテーマです。


P2020565
長い回廊です。モザイクが続いてます。


P2020567
「最後の晩餐」


P2020566
長くなるので、この辺で止めておきましょう。


P2020568
画家カラヴァッジョ巡礼の一環としてここに来たのです。


P2020569
来て良かったと思いました。


P2020572


P2020578
(おわり)

↑このページのトップヘ