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カステルフィオレンティーノのテスタフェッラータ通りです。教会が見えますが、その後ろに美術館があります。


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この写真では、サン・カルロ・ボッロメオ教会の手前に煉瓦造りの建物が写っていますが、その建物が美術館です。


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ベノッツォ・ゴッツォリ美術館です。


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15世紀第4四半世紀にベノッツォは、カステルフィオレンティーナにある2つのタベルナコロにフレスコ画を制作しましたが、そのフレスコ画を展示するために造られた建物です。
タベルナコロとは一般的に壁龕と言う意味ですが、各たる定義がない曖昧語に近くて困ります。
ここではタベルナコロ自体は新しく作られたもので、オリジナルのタベルナコロからフレスコ画を剥離分離して、新造のタベルナコロに貼り付けたものです。


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入館しました。
1階には、切符売り場と「ご訪問のタベルナコロ」が置かれてます。また、1階の壁に「ご訪問のタベルナコロ」のシノピエ(フレスコ画の下絵)が展示されてます。


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入館するとベノッツォ・ゴッツォリ像があることに気付きます。


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このテラコッタ像は、ベノッツォの自画像を基にして作られたものでしょう。


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ベノッツォの代表作は、フィレンツェのメディチ・リカルディ宮殿に描いた「マギの礼拝」になると思いますが、その画面に自画像を描いたのです。
この写真左に描かれた人々の上から2列目の赤い帽子を被った男がベノッツォの自画像です。


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赤い帽子に自分の名前を描き込んでます。
ベノッツォ・ゴッツォリ(サンティラーリオ・ア・コロンバーノ、1421c‐ピストイア、1497)は、ベアート・アンジェリコの弟子兼協力者でした。


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背の高いタベルナコロが目立ちますが、これが「ご訪問のタベルナコロ」です。


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この写真は2階から見た「ご訪問のタベルナコロ」です。背の高いことが分かります。


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タベルナコロの大きさ(高さも)はこの模型を見ればお分かりになると思います。


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1491年に制作された「ご訪問のタベルナコロ」は、エルサ川傍にある、この写真の建物にありました。
タベルナコロはかなりの落剝部分がありますが、エルサ川の氾濫によるものと推察されてます。


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フレスコ画はこのように剝がされて移されました。
では、「ご訪問のタベルナコロ」を紹介しましょう。


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外壁の裏側です。


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「聖ジョアッキーノ(ヨアキム)と聖アンナの金門の出会い」


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その下は落剝してしまって、何が描かれていたのか分かりません。


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外壁裏側の左


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外壁裏側の右


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外壁左側壁の「聖母の誕生」


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外壁右側壁の「聖ジョアッキーノへの天使のお告げ」
天使が落剝欠損しています。


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内壁上部の「栄光のキリストと四福音書記者」


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内壁正面の「神殿から追放される聖ジョアッキーノ」


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内壁下部は落剝してますが「聖母子と聖人たち」でしょう。


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内壁のアーチ左は福音書記者と教会博士


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内壁のアーチ右も福音書記者と教会博士です。


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正面外壁の左側


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正面外壁の右側
こうして見ていくと「ご訪問」は落剝して何処にあったのか見ただけでは分かりません。


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2階に向かいました。


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2階から「ご訪問のタベルナコロ」を見ました。


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次は「マドンナ・デル・トッセのタベルナコロ」です。こちらのタベルナコロは2階にありますが、「ご訪問のタベルナコロ」よりはかなり小さいです。


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元々タベルナコロだけがカステルフィオレンティーノからカステル・ヌオーヴォ・デルサに向かう道の途中にぽつんと建っていましたが、後に建て増しされて祈祷所になりました。タベルナコロはこの建物の中にありました。


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Museo BEGOのHPから写真を拝借したので、鮮明な写真ではありません。


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模型です。


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外壁にフレスコ画はありません。


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1484年に描かれましたが、祈祷所内にある礼拝堂の感じがするタベルナコロです。


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正面の「玉座の聖母子と4聖人」


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その上部は「キリストと四福音書記者」


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左側壁の「聖母の死」


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右側壁の「聖母被昇天」


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開口部アーチの聖人たちのメダイオン


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次は3階です。


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ベノッツォ・ゴッツォリ関連などの現代作品が展示されてます。


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3階で2つのタベルナコロに関するビデオを見ることが出来ます。


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1階に戻り、最後に展示されているシノピエ(フレスコ画の下絵)を見ました。


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代表作とは言いかねるフレスコ画ですが、弟子を引き連れて、このような小さな町にある路傍のタベルナコロを制作したわけで、そのこと自体が非常に興味深く、律儀で真面目だったゴッツォリの性格が垣間見えて非常に微笑ましく覚えました。


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外に出ました。
(おわり)