皆様よくご存知ののフィレンツェ大聖堂です。
サン・ジョヴァンニ広場にあるロッジャ・ディ・ビガッロです。ロッジャはフィレンツェ大聖堂の西側にあります。
ロッジャがある建物は、1352年から1358年にかけてサンタ・マリア・デッラ・ミゼリコルディア教団のために建設されました。
この建物は17世紀末から長らく病院として使用されていました。1904年に美術館としてオープンしました。
1966年の洪水によって建物と作品が大被害を受けて、長い間閉鎖されてきました。1998年からドゥオーモ付属博物館の管理下に置かれて運営されてます。
また、現在、この建物は観光案内所を兼ねてます。
ここにある芸術作品は、ロッジャの歴史を知らないと中々理解できないかも知れません。
ファサードの彫刻はアルベルト・アルノルディ(またはアルベルト・アルノルド)(フィレンツェ、1364‐?)の作品です。
この部分もアルベルト・アルノルディによる彫刻です。
入館無料ですが、限られた時間のガイド付きツアーのみの入館が可能ということになってます。この時は、私一人だけだったのでガイドを断り、自由に見て回りました。
ファサードのフレスコ画は、ヴェントゥーラ・ディ・モーロ(フィレンツェ、1395/1402-1486)とロセッロ・ディ・ヤコポ・フランキ(フィレンツェ、1376-1377-1456)の「聖ピエトロ・マルティーレの説教」(1444)です。
ヴェントゥーラ・ディ・モーロは別名プセウド・アンブロージョ・ディ・バルデーゼ又はリッポ・ダンドレアとして知られている画家でした。
ロセッロ・ディ・ヤコポ・フランキはロレンツォ・モナコの弟子です。
Maestro di Bigalloの「彩色磔刑像」(1250c)
この作品は観光案内所の壁にあるので、ご覧になった方がかなりいらっしゃると思います。
「ビガッロの祭壇」です。
彫刻は1359年から1364年にかけて制作されたアルベルト・アルノルディの作品です。
アルベルトの彫刻を飾るために、約150年後に枠組みと裾絵が付けくわえられ祭壇が作られました。
また、裾絵はリドルフォ・デル・ギルランダイオ(フィレンツェ、1483‐1561)によって1515年に制作されました。
アルベルト・アルノルディの「聖母子」
アルベルト・アルノルディの天使(向かって左側)
もう一つの天使(向かって右側)
白状しますが、これらは天使に見えません。
リドルフォ・デル・ギルランダイオの「聖ピエトロ・マルティーレの殉教」
リドルフォ・デル・ギルランダイオの「幼きキリストへの崇拝、慈悲の聖母、エジプトへの逃避」
この部分の画題が分かりません。
ナルド・ディ・チョーネ工房の「聖母子と天使たち」(1364)
ナルド・ディ・チョーネ(フィレンツェ、1320c‐1366)の「シノピエ」
下絵を親方が描き、フレスコ画は工房にいた弟子に描かせたのでしょう。
アンブロージョ・ディ・ロレンツォが制作した「彫刻の台座」
上にあった彫刻は取り外されて、台座のみ、ここで展示されてます。
所が取り外された彫刻がこの美術館の別室で展示されてます。
アルベルト・アルノルディの「聖母子」(1351以降)
これが台座の上にあった彫刻です。台座は二つありましたが、台座にあった彫刻のもう1点が行方不明です。
でも、せめて、この彫刻だけは台座の上に置いて展示しても良いと思うのですが・・・・・
台座の彫刻
16世紀制作の水甕
フレスコ画と絵画が展示されてますが、両方ともに同じ年に制作された同一主題の作品です。
ニッコロ・ジェリーニとアンブロージョ・ディ・バルデーゼの「ビガッロの兄弟(孤児のこと)を新しい義母に養子として託す」(1384/1386)
アンブロージョ・ディ・バルデーゼの同一主題の絵画(1384)
ベルナルド・ダッディ(ボルゴ・サン・ロレンツォ、1290c‐フィレンツェ、1348)の「慈悲の聖母」(1342)
アーニョロ・ディ・ポーロの「救世主」(15世紀)
カルロ・ポルテッリの「聖母子」(1570c)
アンドレア・オルカーニャ工房の「旗の授与」(1360)
ボッティチェッリ工房の「聖母子」(1490c)
トスカーナの無名芸術家の「ご誕生」(15世紀末)
トスカーナの無名画家の「若き聖人」(15世紀初め)
トスカーナの無名画家の「年輩の聖人」(15世紀初め)
詳細不明
詳細不明の壺
制作者等情報不明の「十字架を担ぐキリスト」
ドメニコ・ディ・ミケリーノ(フィレンツェ、1417‐1491)の「玉座の聖母子」(1460)
マリオット・ディ・ナルド(フィレンツェ、1365c‐1424)の「聖母子」(1420c)
アルンノ・ディ・ベノッツォ(フィレンツェ、1473‐1528活動記録)の「玉座の聖母子と聖人たち」(1470c)
フィレンツェ派無名画家の「聖母子」(15世紀)
Maestro di San Miniatoの「聖母子」(1460)
フィレンツェ派無名画家の「受胎告知と聖ジュリアーノと聖クリストフォロ」(14世紀)
詳細不明のトリッティコ
北イタリアの工芸家の手箱(16世紀)
フィレンツェ派無名画家の「聖ジュリアーノ」(14世紀)
ヤコポ・デル・セッラーイオ(フィレンツェ、1441c‐1493)の「聖母子と聖人たち」
Maestro della Maddalena Johnsonの「聖母子と聖ジョヴァンニーノと2天使」(1490c)
非常に興味深い美術館です。
(おわり)