カッシーネのヴィットリオ・ヴェネト広場です。
広場に面して建っているのがサン・フランチェスコ教会です。



1232年、フランチェスコ会修道士によって、この場所に小さな祠が建てられましたが、それが教会修道院の前身です。



13世紀後半、カッシーネにおけるフランチェスコ会の活動が活発拡大するとともに、祠では手狭となったので、新たに建物を建設することが決められ、1291年創建、1327年に完成した、ロンバルディア・ゴシック様式のサン・フランチェスコ教会修道院です。
建物は現在に至るまでに2回修復されましたが、いずれも小規模なもので、現在の姿はほぼ創建時の姿をとどめています。
奉献式は、1327年に執り行われました。



サン・フランチェスコ修道院は、1802年、ナポレオンの修道院抑圧政策によって閉鎖されましたが、1830年に活動が再開されました。一旦閉鎖されたことで多くの修道士が去り、修道院が再開されても散り散りになった修道士の多くが戻らず、その活動は低迷したままでした。
1858年、カッシーネ村が修道院の建物を買い取り、学校の校舎として使用することになりました。
2011年、修道院のキオストロ回廊にカッシーネ村立Museo di San Francesco "Paola Benzo Dapino"が設けられました。
カッシーネ村の他の教会にあった作品は僅か数点にしかすぎず、展示作品の殆どがサン・フランチェスコ教会修道院だったものです。
教会の入り口付近にボランティアの女子高校生が待機していて、入館希望者が現れると美術館入り口を開錠して、館内を点灯してくれます。入館無料です。



サン・フランチェスコ教会修道院を取り囲んで、サン・ベルナルディーノ祈祷所、サンティッシマ・トリニータ教会、サンタントニオ・アバーテ祈祷所があります。
写真左はサン・ベルナルディーノ祈祷所で、祈祷所の後に灰色の鐘楼が写ってますが、サンティッシマ・トリニータ教会の鐘楼です。



三廊式、ラテン十字形、ゴシック様式の教会内部です。



左側廊方向



右側廊方向



中央ナヴァータ



主祭壇



後陣の交差ヴォールト



教会と美術館は一体化されてます。



先ず礼拝堂のフレスコ画を見ます。



Maestro del Tomba Fissiragaによって15世紀に制作されたフレスコ画



Maestro del Tomba Fissiragaは初めて聞く画家で、調べましたが分かりませんでした。



Maestro del Tomba Fissiragaのフレスコ画（14世紀）



Maestro del Tomba Fissiragaのフレスコ画（14世紀）









ジョヴァンニ・モネーヴィ（ヴィソーネ、1637‐トリノ、1714）の「聖母子と聖マッテオと聖ボナヴェントゥーラ」（1712‐13）



ピエモンテの逸名画家作の、「1532年にピエモンテの逸名画家によって制作された『聖母子と聖マッテオと聖ボナヴェントゥーラ』の複製画」（1713）



これは何でしょうか？



聖具保管庫？



説明板がありません。



この作品だけ説明プレートがあります。
ルキーノ・フェラーリ（カステラッツォ・ボルミダ、16世紀前半活動）の「聖母子と聖マッテオと聖ボナヴェントゥーラ」（1532）
聖マッテオは前の写真の右にあります。



17世紀のピエモンテの逸名彫刻家作「この人を見よ」



ジョルジョ・ソレーリ（ピエモンテ、16世紀後半活動）の「聖母子と聖フランチェスコと聖ビアージョと2信者」（1573c）



ピエモンテの逸名画家（複数）たちによって描かれた「使徒」の油彩画（17‐18世紀）
全部で11作品ありますが、一部を除いて描かれた使徒が特定されてません。






聖バルトロメオ？



聖マリア・マッダレーナ？



聖パオロ？






聖ピエトロ









聖アンドレア






詳細不明



ピエトロ・ファンチェッリ（ボローニャ、1764‐ペーザロ、1850）の「カルヴァリオへの上り」（1796）





















（つづく）

サン・ロレンツォ教会はサン・ロレンツォ通りにあると思っていましたが、村を貫く目抜き通りのサン・レアリーノ通りにありました。



この村に現存する5つの教会の中で、サン・ロレンツォ教会は最も新しい教会です。






ネットで調べても、この教会について詳述している記事がありません。



村役場で貰った資料によれば、18‐19世紀のフレスコ画と祭壇画があるそうです。



併設されていた修道院でワイン醸造が行われていたそうです。18世紀創建の修道院でのワイン醸造はピンときません。



修道院だった建物です。



旧修道院だった建物はVilla Azzurraと呼ばれてます。イタリア代表チームと関係がある？



Villa Azzurraの入り口



この辺から建物が途絶えます。



今、通ってきた道を振り返ったところです。



村外れに出ました。



急に視界が開けて田舎の風景になりました。



横道に入りました。



村外れにある、14世紀創建のサン・ピエトロ教会です。現在の建物は17世紀に再建された二代目のものです。



少し戻って別の横道に入りましたが、見どころは何もなさそうです。



村の見所は大体こんなところでしょう。



更に歩いて一面のブドウ畑を見ても面白くないと判断して、戻ることにしました。



爆撃の標的は何もない村です。空爆とは本当に気の毒です。



住所表示板



Vicolo del Castello



城でもあるのか、と思って行ってみたのですが・・・・・



新しい作品でしょうね。



カステッロは単なる名称だったようで、城が見当たらなかったので、サン・レアリーノ通りに戻りました。



忙しくあちこちの街を回る旅の途中に、このように、ノンビリ出来る日があっても良いと思います。



サン・ジャコモ教会を通り過ぎました。



時間が有り余っているので、ゆっくり進みました。



日本人の私が珍しいのか、じろじろと見られることが多かった。



観光に力を入れているようで、村役場で貰った案内パンフレットが非常に役立ちました。



多分、時間が余るので、村の全容を見終わった後、サン・フランチェスコ教会にもう一度来ることにしました。



村役場横のロッジャ









サンタ・カテリーナ教会です。



村の5つある教会全てが現役です。維持するのが大変に思えました。



日本のような檀家制度みたいなものが教会にもある？



夏至が終わったばかりなので、日差しが強烈でした。



B&Bがある広場に戻りました。



バールで一休みしました。



街角の聖母子



無原罪の聖母









村の入り口から村外れまで見終わりました。



フランチェスコ教会に戻りました。



（おわり）

1232年に建設されたサン・フランチェスコ教会修道院です。修道院の一部が村立美術館 Museo Civicoになってます。教会と美術館には、ボランティアの女子高校生が常駐しています。
美術館の開館は、午後のみ（午後3時頃から）で、入館無料です。



サン・フランチェスコ教会のファサード前に立っている建物です。



16世紀に建設されたサン・ベルナルディーノ祈祷所です。



サン・フランチェスコ教会に入りました。






美術館にも入館しました。



予想以上の教会・美術館で、わざわざ来た甲斐がありました。



サン・フランチェスコ教会と美術館に付いては、項を改めて詳しく触れる予定です。



外に出ました。



ガイドブックに載っておらず、「美しい村」にもリストアップされていない、ごく普通の村であるカッシーネに、このような教会・美術館があることにイタリアの奥深さを感じます。



オラトリオは閉まったままでした。



更に村歩きを続けます。



広い面積の村で、人口が3千人弱なので、家が点在していると思いましたが、集落が続いていました。



この辺は上り坂になってます。



この辺は下り坂になってます。



上り下りを2回繰り返しました。



歴史的建造物です。



Palazzo Zoppiです。



大広間に15世紀のフレスコ画があるようですが、非公開です。



古い建物と新しい建物が混在しています。



新しい建物と古い建物が混在していますが、それには悲惨な村の歴史があります。
この村からあまり離れていないアレッサンドリアは軍都でした。第二次世界大戦中、アレッサンドリアは、大戦の初期には連合国の、中期から終戦まではドイツ軍の標的となり、度々爆撃を受けました。
アレッサンドリアの爆撃を終わり、基地に向かった航空機は余った爆弾を途中のカッシーネに落として、帰途についたのです。農村であるカッシーネが爆撃の標的になることは有り得ないのですが、軍都アレッサンドリアに近いことから、度々トバッチリを受けてしまったのです。
新しい建物は第二次世界大戦後に再建されたのです。



サン・ジャコモ教会です。



酷い落書き



教会は現役ですが、併設の修道院は既に閉鎖されてます。



村役場で貰った案内パンフレットによれば、作品がかなり残っているそうです。



扉が閉まっていたので拝観出来ませんでした。



こちらの通りは何もなさそうです。



サン・レアリーノ通りに戻りました。



サン・レアリーノ通りの先にブドウ畑とワイン醸造所があります。



横道に入りました。



横道の突き当りはブドウ畑です。



再度サン・レアリーノ通りに戻りました。



16世紀に建設されたパラッツォ・マルティーニです。



写真左は16‐18世紀に建設されたパラッツォ・カドゥッチです。



この一角は歴史的建造物が多い。



カッシーネ村は観光に力を入れているようで、案内板が完備されてます。



入口扉の装飾は16世紀のピエモンテの逸名彫刻家の作品です。



この建物もパラッツォ・ピエトラサンタの一部です。



横道のサン・ロレンツォ通りを進みました。



サン・ロレンツォ通りには何もなさそうです。
（つづく）