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教会はトラステヴェレ地区にあります。
サン・フランチェスコ広場が見えてきました。


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サン・フランチェスコ・ダッシジ・ア・リーパ教会またはサン・フランチェスコ・ア・リーパ教会です。
リーパの名称は、この教会のファサードの先約200mにテヴェレ川が流れており、ポルテーゼ門からメルカンティ広場にかけてのテヴェレ川岸にPorto di Ripa Grandeと呼ばれる河港がありましたが、それに由来してます。


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サン・フランチェスコ広場


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10世紀頃に建てられた小さなサン・ビアージョ・デ・クルテ教会と病院がこの場所にありました。その教会、病院、修道院は巡礼者の宿泊所を兼ねていました。


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1219年、第177代教皇オノリオ3世(ホノリウス3世)(在位:1216‐1227)に謁見するため、ローマを訪れた聖フランチェスコは、サン・ビアージョの巡礼者宿泊所に泊まったとされてます。
1229年、第178代教皇グレゴリオ9世(在位:1227‐1241)は、聖フランチェスコが宿泊して祈りを捧げたサン・ビアージョ・デ・クルテ教会をOrdine dei frati minori(フランチェスコ会)に与えることを命じました。
それ以降、その教会はローマにおけるフランチェスコ会の活動拠点となりました。
1231年、教会の建物は拡大、修復されましたが、それを機に教会名が改称され、現在の名称となりました。


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1535年、狭隘で老朽化した建物を取り壊して、その上に新しい建物の再建が決まり、建築家で画家のバルダッサレ・ぺルッツィ(シエナ、1481‐ローマ、1536)に設計と建築が委嘱されましたが、その翌年にペルッツィが死んでしまったので、計画が頓挫してしまいました。ペルッツィの設計が豪華過ぎて、フランチェスコ会の清貧に相応しくなかったとの頓挫の別説があります。
再建工事が中々進捗しませんでしたが、1603年、改めて建築家オノリオ・ロンギ(ヴィッジ、1568‐ローマ、1619)に設計が依頼され、1656年、一応の完成を見ました。
しかし、ファサードは未完成であり、その他の部分も不完全だったので、17世紀後半に建築家マッティア・デ・ロッシ(ローマ、1637‐1695)に建物の完成が委嘱され、1701年、漸く完成しました。
ファサードは、マッティア・デ・ロッシの設計によって、1682年から1689年にかけて建設されました。


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中に入りました。


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三廊式、ラテン十字形、バロック様式の内部です。


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この教会における、美術面での最大の見所はベルニーニの彫刻でしょう。


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装飾が殆ど施されていない天井


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主祭壇の彫刻:フラ・ディエゴ・ダ・カレリの「天使に支えられる光悦の聖フランチェスコ」(1588以前)


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磔刑の礼拝堂


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シモン・ヴーエ派逸名画家の「天上の聖フランチェスコ」(17世紀前半)


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詳細不知


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詳細不知


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ステファノ・マリア・レニャーニ(ミラノ、1660‐ボローニャ、1715)の「三位一体と聖家族」(1685)


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ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチ通称イル・ノヴァーラ(ノヴァーラ、1537‐ローマ、1627)の「エジプトへの逃避」


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ステファノ・マリア・レニャーニ(ミラノ、1660‐ボローニャ、1715)の「エジプトへの逃避途中の休息」


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ジュゼッペ・バルトロメオ・キアーリ(ローマ、1654‐1733)の「アルカンタラの聖ピエトロとバイロンの聖パスクゥアーレ」


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うわっ、グイド・レーニの作品だ!!


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暫し注視しました。
資料がないので、作品帰属が不明ですが、私の観ではグイド・レーニ作品のコピー画と思います。


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こちらがグイド・レーニ作「大天使聖ミケーレ」の作品画像です。(外部サイトから拝借しました)
本物は、バルベリーニ近くの骸骨寺(ここにはカラヴァッジョ作品もあります)にあります。


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ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(ナポリ、1598‐ローマ、1680)の「ベアータ・ルドヴィーカ・アルベルト―ニ像」(1671‐75)


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バルニーニ晩年の作品です。


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ジョヴァン・バッティスタ・ガウッリ通称イル・バチッチョ(ジェノヴァ、1639‐ローマ、1709)の「ベアータ・ルドヴィーカ・アルベルト―ニに顕現する聖母子」


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詳細不知


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詳細不知


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フランチェスコ・サルヴィアーティ(フィレンツェ、1510‐ローマ、1563)の「受胎告知」(1534c)


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非常に良い。


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ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチ通称イル・ノヴァーラ(ノヴァーラ、1537‐ローマ、1627)とクリストフォロ・グレッピ(コモ、?‐ローマ、1590c‐1635記録)の「父なる神と音楽天使たち」(1617‐20)


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マールテン・デ・フォス(アンヴェルサ、1532‐1603)の「無原罪の御宿リ」(1555c)


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アントニオ・デッラ・コルニア(ミラノ、1584c‐ローマ、1654)の「聖母被昇天」


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シモン・ヴーエ(パリ、1590‐1649)の「聖母の誕生」


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外に出ました。
ベルニーニとサルヴィアーティの作品が心に残りました。


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(この項、おわり)