時は遡って、2013年2月のスペッロです。



建物などの写真を撮ったり、芸術作品などをゆっくり鑑賞するには、観光オフシーズンの2月が最適です。何せ空いてますから。



スペッロ駅の駅舎
しかし、中国人がイタリアに押し掛けるようになってからは、例え2月であっても旧正月の前後は彼らで席捲されることがあって、要注意です。
この日、スペッロ駅で下車したのは私を含めて3人でした。



写真右端に写っているワンちゃんが愛嬌良しで、暫し遊びました。



朝靄に煙る旧市街



丘上に築かれた町が多いウンブリア州です。
町の先、遠くに見える山頂は雪を抱いてました。



旧市街に向かう道路は工事中でした。



城壁



旧市街の入り口となっている、紀元前1世紀に建てられたPorta Consolareです。スペッロは、古代ローマの植民地として発展しました。



てっぺんに木が生えている塔は、Torri di Borgoと呼ばれてます。中世に建設されました。



門の下にローマ時代の遺跡があります。



ローマ時代の遺跡は、現在の地表よりも約2m低い位置にあります。



Porta Consolareの横に建つPalazzo Feliceです。



Porta Consolareの前の広場はケネディ広場と呼ばれてます。ケネディと名付けられている橋、通りなどがイタリアにありますが、アメリカ大統領のJ.F.ケネディとどのような関係があるのでしょうか？



自動車はPorta Consolareを通れないので、少し迂回して、この門から城壁内に入ります。
Porta Consolare近くにもう一つ門があります。



Portanaccioです。



城壁内から見たPortanaccioです。



Porta Consolareを潜って城壁内に入りました。



花祭りと違って邪魔なものがありません。



Via Borgo San Sistoに寄り道します。



春になると花一杯になる通りです。



私以外の観光客がいなかった。



坂を上るにしたがって鐘楼が見えてきました。



咲いていたのはシクラメン、ゼラニウムくらいでした。



Oratorio di San Bernardinoだった建物です。



民家に転用されているそうですが、毎日後陣のフレスコ画を見ながら生活できて羨ましい。



旧サン・ミケーレ・アルカンジェロ教会です。



Cappella Tegaについては、（その4）で触れましたので省略します。



ドゥオーモに向かいます。



町一番の目抜き通りVia Consolareです。



ドゥオーモ、サンタ・マリア・マッジョーレ参事会教会にやってきました。



残念ながらドゥオーモの扉が閉まっていました。



気になるコリント式柱2本



旧修道院だった建物



ドゥオーモのファサード前のマッテオッティ広場



市立絵画館の開館は午前10時半からですが、もう扉が開いていました。



静かなものです。



参事会教会の鐘楼






参事会教会向かいにあるサンタ・マッダレーナ教会です。



この通りは後で行きます。
（つづく）

サンタンドレア教会の扉は閉まったままです。



この町で2泊の予定でしたが、市立絵画館を見てしまうと、やることがないのを知って愕然。



まだ１日半あります。



花祭りの準備状況を見る以外にありません。



残るはテガ礼拝堂くらいです。



写真右は、Cappella Tega またはサンタンナ礼拝堂と呼ばれている礼拝堂です。



この付近に聖アンナ友愛同信会の病院がありましたが、その病院付属の礼拝堂です。
建設された年は特定されてませんが、15世紀の公証書にこの礼拝堂の記載があります。
1895年から20世紀初頭にかけて、礼拝堂の建物は店として使用されていましたが、店の主人の一人である仕立屋ピエトロ・テガがフレスコ画を発見したことで、Cappella Tegaの呼称となりました。



礼拝堂の壁に描かれたフレスコ画が有名です。



今は閉じられているが、2017年の修復以前には側壁のガラス窓の一か所が開けられていて、そこから中を覗くことが出来ました。



ガラス窓越しではフレスコ画が良く見えません。また、写真の方もガラスに向かいの景色が映ってしまって、良く撮れません。



2人の画家によってフレスコ画が描かれたことが分かってます。
天井部分のフレスコ画は、ピエトロ・ディ・ジョヴァンニ・マッツァフォルテ（フォリーニョ、1404‐1463）に帰属します。



フレスコ画は、逐次修復が行われているようで、撮った時期によってフレスコ画の状態が違います。



ピエトロ・ディ・ジョヴァンニ・マッツァフォルテ（フォリーニョ、1404‐1463）に帰属する「聖母子と聖アンナ」



保存状態があまり良くないと思います。



ニッコロ・ディ・リベラトーレ通称ニッコロ・アルンノ（フォリーニョ、1430‐1502）の「磔刑」（1461）



最近の修復後の磔刑



この部分はニッコロ・アルンノの作品と特定されてます。












Cappella Tegaの番地です。



道の突き当りに教会の建物があります。



1444年に奉献式が執り行われた旧Oratorio di San Bernardinoです。
現在は民家となってます。



ファサードのフレスコ画「聖ベルナルディーノ」



このまま、この町にいても面白くないので、午後は何処に行こうかと考えていました。







花祭りの準備が着々と進んでます。



ここはかなり具体的に準備してました。



花で埋め尽くす設計図が用意されてます。



成程こうやってやるのか、と感心しました。



Porta Consolare






ここの準備はどうでしょうか。



設計図が用意されてます。



ケネディ広場



まだ11時半です。昼食には少し早すぎます。



詰まらないので、隣のフォリーニョに行くことにしました。



駅に向かいました。



駅は静かでした。


フォリーニョ行きの列車に乗りました。
（つづく）

サンタ・マリア・マッジョーレ参事会教会に戻ります。



共和国広場



徐々に観光客が増えてきました。この町の宿泊施設は非常に限られていますが、何処からやってきたのか不思議です。



花祭りの準備が中々進みません。



教会のファサード前に観光客が沢山いたのを見て、バールで一息入れながら空くのを待機。



Pinacoteca CivicaがあるPalazzo dei Canonici



少し空いてきました。
ジュノーネとヴェスタに捧げられた神殿がこの地にありましたが、、その上に建てられた教会です。創建された年が明らかになっていませんが、11世紀初めとされてます。1025年に奉献された記録が残されており、カマルドレ会のサン・シルヴェストロ・ディ・コレピーノ修道院の一部として建設された教会です。



1159年、教区の所有教会となりました。13世紀後半に完成したロマネスク様式の教会です。



ファサードの彫刻はベヴァーニャの彫刻家によって12世紀に制作されたものです。



ファサードは、1644年に改修されており、改修後の姿を見ていることになります。



サンタ・マリア・マッジョーレ参事会教会の中に入りました。



単廊式、ラテン十字形の内部です。



1580年の火災によって内部の大部分が大きな被害を受けたので、古いものはあまり残ってません。



フェリーチェ・リナルディの「聖母の誕生」（17世紀）



バルトロメオ・ダ・ミランダ（ウンブリア、15世紀活動）の「聖母子」



ピエトロ・バンヌッチ通称ピエトロ・ペルジーノ（チッタ・デッラ・ピエーヴェ、1446‐フォンティニャーノ、1523）の「ピエタ」（1521）



マルカントニオ・グレッキ（？‐1650）の「聖母被昇天」（17世紀）



アンドレア・カマッセイの追随者作「聖母の結婚」（1671）



詳細不知



ピントゥリッキオのフレスコ画で有名なバリオーニ礼拝堂です。1580年の火災でも奇跡的に無傷でした。
礼拝堂は拝見有料で写真不可です。
仕方がないので、外部サイトから拝借したフレスコ画の作品画像を掲載します。



ベルナルディーノ・ディ・ベット通称ピントゥリッキオ（ペルージャ、1454‐シエナ、1513）の「ご誕生」（1501）
「マギの行列」も描かれてます。



ベルナルディーノ・ディ・ベット通称ピントゥリッキオ（ペルージャ、1454‐シエナ、1513）の「キリストと教会博士たちとの問答」（1501）
写真不可なのに、何故このような写真があるのか？



ベルナルディーノ・ディ・ベット通称ピントゥリッキオ（ペルージャ、1454‐シエナ、1513）の「受胎告知」（1501）
多分、その理由は「差別」でしょうね。



ピントゥリッキオによる礼拝堂天井のフレスコ画



ピントゥリッキオの自画像です。自負の現れで自画像を描いたのでしょう。



出たり入ったりの人が多くて、とてもゆっくりと見てられない。



外に出ました。



美術鑑賞にはお祭り当日は不適です。



次は絵画館です。



市立絵画館があるPalazzo dei Canonici外壁入口上ルネッタのフレスコ画の痕跡



市立絵画館の入り口



コモ出身の建築家ドナート・ダ・コモによって1542年に建設されたPalazzo dei Canonici



絵画館は1階（日本の2階）にあります。



1994年に開館したスペッロ市立絵画館には、スペッロとその周囲の教会などから集められた作品や個人からの寄付作品が展示されてます。



展示室は8室から成ってます。



市立絵画館については、項を改めて詳しく触れることにします。



入館者はちらほら。



町の規模を考えると、出来の良い作品が並んでいると思います。



美術ファンにとって、ここは必訪です。



しかし、美術ファンは少ないのです。



（つづく）

絵画館は未だ開いていません。



この辺はカヴール通り？　一本の道ですが、場所によって通りの名称が違います。



マッテオッティ広場



サンタンドレア教会は閉まっていました。



拝観は後程



Via Torri di Properzio



案内標識が完備されてます。



写真右がサンタンドレア教会です。



城壁の方に行ってみます。



サンタンドレア広場



ウンブリアらしい建物が並んでます。



Rocca Baglioni



サンタ・マリア・マッジョーレ参事会教会の後陣



サンタ・マリア・マッジョーレ参事会教会の鐘楼



城壁下の景観



霞がかかった空



次は共和国広場です。



一旦カヴール通りに出ました。



共和国広場にやってきました。



時計がある建物はPalazzo Comunale　町役場です。



時計の下に受胎告知のフレスコ画があります。



Palazzo Comunaleの受胎告知



Palazzo Comunaleにある、スペッロの紋章



次はサン・ロレンツォ・マルティレ教会です。通りの左側に教会のファサードが写ってます。



サン・ロレンツォ・マルティレ教会です。
教会建設の経緯や教会が建設された日時が諸説あって明確になっていないようです。
1120年創建、1127年創建、1191年から1198年に建設されたなど、諸説ありますが、12世紀に建設されたことは確かとされてます。
しかし、1228年に教皇グレゴリオ9世によって奉献されたという確実な記録が残されてます。



ロマネスク様式のユニークなファサードが特徴です。



ファサードの入り口周囲の装飾



17世紀に大掛かりな修復が行われました。



教会内に入りました。



三廊式です。



創建以来、修復改修が数度行われたので、創建時のロマネスク様式のものは殆ど残されていません。



身廊天井



左側廊の礼拝堂から見て行きます。



ドーノ・ドーニ（アッシジ、1500c‐1575）の「聖母子と聖ジュゼッペと聖マルコ」（1530）



左側廊






ペルージャの逸名画家作「キリストの洗礼」（16世紀後半）



詳細不知



詳細不知



サン・フェリーチェ礼拝堂



ジョヴァンニ・バッティスタ・バソッティの「聖フェリーチェの殉教」（1637）



主祭壇



フェーボ・ダ・モンテファルコ（ウンブリア、16世紀活動）とポンぺオ・ディ・ピエルジェンティーレ・コッキ（コルチャ―の、1490‐1552）の「聖ロレンツォの尋問」



フェーボ・ダ・モンテファルコとポンぺオ・ディ・ピエルジェンティーレ・コッキの「聖ロレンツォの判決」



フランチェスコ・ダ・カステッロ（ブリュッセル、1540‐ローマ、1621）の「キリストと聖母の煉獄の魂の栄光」（1599）



マルカントニオ・グレッキ（？‐1650）の「聖フランチェスコと2天使」



フランチェスコ・ダ・カステッロ（ブリュッセル、1540‐ローマ、1621）の「アレッサンドリアの聖カテリーナの殉教」（1601）



詳細不知



三位一体礼拝堂（1874）



フォリーニョの逸名画家作「聖ベルナルディーノ」（15世紀）



入り口近くの右壁ニッチに描かれたフレスコ画



マニエリスム逸名画家作「2天使」（16世紀）



バルトロメオ・ダ・ミランダ（ウンブリア、15世紀活動）に帰属する「アレッサンドリアの聖カテリーナの神秘な結婚」（1435）



詳細不知



右側廊






外に出た。
（つづく）